推しは守り助けるもの 漆【鬼滅の刃】

参佰捌の型 ページ8

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玄弥side



ハラハラと鬼のように灰になっていく女の人


俺の姉貴みてえな存在で、好きな人




「…」




体が動かない、耳も聞こえない



目の前の事実が衝撃すぎて


視界もぼやけて見えない


頭が真っ白になった


自分の傷が癒えていくのだけはわかる








姉ちゃん…

貴方だけは死なないで欲しかった





初めて会った時から優しかった


元々存在は知っていた


隊員の中で言われてたんだよ




"才色兼備の彼岸花"って。




会った時は、ああ、確かに綺麗な人だって思った



だが剣術を俺は見た事がなく、言葉でしか強いことは聞いてない



だから本当に強いか最初は疑ったよ


でも直ぐにわかることになった



手合わせして強さを実感した


木刀を握った掌がじんじんするあの感覚



どの剣士と戦っても得られないあの緊迫感は、いつまでも忘れることは無いだろう



俺にとって何よりも心の支えになったのは貴方だった


初めて会って、兄ちゃんの話をしてくれた

兄ちゃんは元々気難しいところもあるし、あの事があって、更に人との関わり方が下手になったんじゃねぇかって心配だった



でも、兄ちゃんとの思い出話をする幸せそうな貴方を見て



ああ、兄ちゃんもこの人きっと助けられてるんだ




って思った



兄ちゃんだけじゃない



柱の人達やお館様、炭治郎達も皆、助けられてる





これは命をとかそういう意味じゃなくて



気持ちだ。



あの人が言うと、全部本当に聞こえるんだよ




兄ちゃんは俺の事嫌ってるんじゃないかって言った時も



"大丈夫"って、そう言ってくれた




なんかこう、ストンと心に降りてきた



あれはきっと慰めなんかじゃないんだよな



兄ちゃんの本心を姉ちゃんはちゃんと理解してたから言ったんだよな




姉ちゃんはすげぇ生き様だったと思うよ



こんなにもたくさんの人を守って



こんなにもたくさんの人の思いを繋いで








ほんと、俺さ、





姉ちゃんに会いてェよ、、

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