推しは守り助けるもの 参【鬼滅の刃】

佰参拾漆の型 ページ37

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無一郎side





今日も杣木を切っていると、兄さんの声が聞こえてきた。


怒鳴り声だ…きっとあまね様が来たんだろう。




兄さん、変なことしないかな、大丈夫かな。

心配しながら家方向に向かう。




すると向こうから二つの影がやってきた。

ここからじゃ顔がぼやけてよく見えない…。





あまね様と…誰だろう。



木の影から見ているともう一つの人影はきっと剣士と呼ばれる人なんだなとわかった。





『あ、貴方が無一郎くんかな？』




そっとこちらへ近づき、優しく微笑む姿を見て一つの花が頭に浮かんだ。









無「彼岸花…。」




あまね様に負けず劣らずの美しさ。

思わず目を奪われた。





綺麗な臙脂色の瞳。


でも見れば見る程奥が深く、吸い込まれそうだ。



唇も綺麗な赤で、なんというか、









鬼みたい…。




にしてもこんな綺麗な人が剣士…鬼殺隊って凄いなぁ…！




『？？？』




無「あ、えっと！そうです。



……貴方は…？」




『私は鬼殺隊の鬼月 Aだよ。』




無「Aさん…。



あの…また兄が暴言を吐いたんですよね…すみません…。」




『ふふ、大丈夫だよ。



有一郎くんは警戒心が強い子なだけだから。』





相変わらず笑みを崩さずニコニコしている。

本当に綺麗な顔立ちだ…。




無「でも……！」




『良いお兄ちゃん持ったね。』




よしよしと頭を撫でられる。





暴言を吐かれているにも関わらず、罵倒せずに褒めている。






どうして？






あぁ、きっとこの人、兄さんは根が優しいって気づいてるんだ…




久しぶりの感覚にホワホワする…前は母さんや父さんにしてもらったなぁ…





視界が涙でぼやける。




無「……はいっ…」





『ふふ、泣かないで？


有一郎くんに誤解されちゃう。』





無「ご、ごめんなさっ…！」




『！！！』


突如、Aさんから優しく、でも強く奥に押された。

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