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そういうわけで今日もぼっちだ。
けれど、昼休みは一人なわけじゃない。
もちろん、宮くんと食べる訳ではない。
「めい〜!!」
「お、来たね。午前もおつかれさま」
双子のめい。
こちらは普通に友達も出来たようで何よりである。
廊下で、たまにめいが友達と仲良く歩いているのを見ることがある。楽しそうで羨ましい。
「めいがいなかったら耐えれてないなぁ」
「わたしだってAがいなきゃ毎日退屈だよ?」
「なんて良い奴なんだお前は……」
わたしたちは顔は似ていれど髪型も髪色も全く違う。
それぞれ好みに合わせているからである。
だから、この学校で気づいている人はほぼ居ないと言える……と思う。
黒髪にインナーカラーで全体的に青を入れ、ミディアムのわたし。
茶髪に、左耳にだけインナーカラーでピンクを入れて、ショートにしているめい。
インナーカラーという共通点はあれど、双子だよねと言われることはない。友達もいないから当たり前か。
それにしても、稲荷崎には転校生が多いこった。
めいのクラスにはめいの他に2人もいるらしい。
「入部届出した?A」
「まだだよ。めいは?」
「女子バレーでしょ。出したよ」
「あ〜、わたしも行かないとなぁ」
わたしたちは小学校の時からバレーをしている。ポジションはわたしがセッター、めいが対角のオポジット。
前の学校ではわたしたちが中心だったものの、こっちでもわたしたちが中心になれるとは思っていない。
まだ2年生だし、セッターは競争率が高いポジションだ。
なぜなら、セッターはコートに1人しかいらないから。
ダブルセッター制を起用すれば有り得なくはないものの、なかなかそれは難しい。
かく言うわたしたちも、一時期はダブルセッターで動いていたのだけれど、わたしのレシーブがあまりにもブレすぎて断念した。
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作者名:ビール瓶 | 作成日時:2021年8月10日 19時