Two legendary children【賢者の石】 (ページ7)

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ダイアゴン横丁ページ7

．

「もう帰っちゃうの？」

ロンをじっと見つめるA
その可愛さはロンには抜群の効果を得たわけで

「僕残ろうかな」

「何言ってんだ、行くぞ」

またねA〜！とロンはズルズル双子の兄に引きずられていった

「あとは…ええとなんだっけ」

「杖、だろ？もちろん杖ならここ以外ありえないよな」

ギィ…と扉が音を立てて開く
兄はズカズカと中に入っていった

つられてAも恐る恐る入っていく

「これはこれは…」

「やあ、元気だったか？」

「もちろんでございます。妹さんのA･メルロッタさんでございますね、いやはや懐かしゅうございます」

じっとA…いや、Aに誰かを重ねているのだろうか
目を細めて何かを思い出すようにしんみりとしている

「杖選びといたしましょう」

*

ガシャン！ガシャン！

あらゆるものが破壊される音がする
情けなくもAはすでに半泣きであった

「兄さん、どうしよう私…やっぱ魔法なんて」

魔法使いにとっては最も重要らしい杖のことを聞いていたAは自分に合った杖を見つけれずただひたすら焦っていた

「…ふむ、ではこちらはいかがでしょう」

震えながらそれを受け取る
途端に爽やかな風が吹き、Aの破壊した窓や散らかした物が瞬く間に元に戻っていた

「なんと…！イトスギの杖…まさか貴方が」

「なんだって？」

リアムが杖を睨む

「勇敢で自己犠牲を厭わない…」

「…英雄として死ぬ運命、だろ」

また、忌々しそうにリアムは杖を睨む
最愛の妹が死ぬ運命と言われているイトスギの木が使われている杖に選ばれたのだ。気分がいいとはいえないだろう

「まさかこの杖の所有者を探すことができるとは…いや光栄でございます」

「私勇敢なんかじゃないわ。それに自己犠牲？私そこまで優しくないし…」

そう言って謙遜するA
だが兄のリアムは身に覚えがあった

誰よりも優しく、どんな時でも他人を優先する自分の妹、それがAだということを

「まあそんな重く考えるなよ。大丈夫、どうにかなるさ」

「そうだよね！せっかく杖が見つかったんだもん。もっと喜ばないと！」

励ましの言葉をかけた兄だが内心は冷静ではない
この可愛らしい妹に危害がないことを、リアムは必死に祈っていた