試合 ページ34
．
「ハーマイオニー、今どっちが勝ってるの！？」
ゼェゼェと息を切らしながらようやく会場にたどり着いたA
ハーマイオニーはAの問に答えず、目を見開いて空を見上げていた
「？どこみて…」
ハーマイオニーが見てる方向を見ると…
そこには箒にぶん回されているハリーの姿が
「ハリーは才能…があるからシーカーに選ばれたんじゃないの？なんであんな下手く…！いや暴走してるの！？」
今下手くそって言いかけた？とロン
「いや、箒がおかしいんじゃないか？」
「スネイプよ！！箒に呪文をかけてる！」
ハーマイオニーの眼はしっかりとスネイプ先生を捉えていた
確かにスネイプ先生は口を動かし何やら呟いているようだった
任せて、とハーマイオニーはなにか案があるらしく
いつの間にか姿が見えなくなっていた
「早くしてくれ、ハーマイオニー…！」
双眼鏡を覗いてみると、ブルブルと震えるハリーの腕。それは今にも落ちてしまいそうで…
「もうだめ…！！」
思わず杖を向ける
もし、もしハリーが落ちたら呪文を叫ぶつもりだった
それが自身にできる友人を救う唯一の方法だったのだ
すると、ピタリと大人しくなった箒
その間に急いで乗り直した
「よかっ…たぁ……」
よろよろと力なく杖を下ろす
やったわ！と誇らしげに帰ってきたハーマイオニー
ようやく安堵し、その後の試合の展開を見守る
ふいにハリーが地面に向かって急降下した
ハリーは口を手で押さえ吐いてしまいそうな様子だった
四つん這いになりゲホッと1つ咳をすると金色のものが掌にコロンと転がった
「スニッチをとったぞ！」
わぁぁぁぁ！とグリフィンドールから歓声が
ようやくゲームが終了したのだった
スリザリンのフリントが二十分も「あいつは取ったんじゃない。飲み込んだんだ」と喚いたらしいが、もちろん結果が変わることは無かった
喜びやら安堵やらでAはあと少しで泣いてしまうところだった
グリフィンドールの勝ち、というよりもハリーが無事だったという安堵が大きかった
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作者名：おらぶ | 作成日時：2021年9月26日 7時
