とらないで【フロイド】 ページ9
「小エビちゃん」
「あれ……フロイド先輩……」
グリムがいない時を集中的に狙われているのだろうか
図書室だなんてフロイド先輩のお遊び場に等しいのに、こんな所で見つかったのが運の尽きか
この時また訪れる少しの安心感のは気づけないでいた
「……ねえ小エビちゃん。最近俺の事避けてるでしょ」
フロイド先輩に拗ねたように言われ肩が強ばった
あははと笑い飛ばすと酷い目に合う気がする
実は避けているというのは事実であった
サクラちゃんの思いに気がついてから何だかフロイド先輩と居るのが申し訳ないと感じるようになってしまったのだ
一緒にいたってすごい睨んでくるし
唯一の人間の友達だから応援してあげたい気持ちはあるけれど
「……フロイド先輩だからなぁ……」
「何が俺なの?」
「あっ、いえ何でも……」
「もー!小エビちゃん本当に最近変だよー?何で避けるの!ねえねえねえ!」
予想はしてたが抱き上げてブンブン回された
フロイド先輩ジェットコースター。そう名付けた過去の私を思い出して良くもそんなに余裕が、と恨めしく思った
ああ、酔う酔う酔う。吐く
「ねぇ……小エビちゃん……?」
突然ジェットコースターが終わって次は何をされるのだろうと身構えていると先輩は何もせず私をただ抱き上げて密着した
身長が191の世界はこんなものなのね、と初めての時は思ったっけ
それよりも今にもちぎれてしまいそうな。か細いフロイド先輩の声に心底驚く
私の肩に顔をうめて、ぐりぐりと顔をなすり付ける
グリムが私の手に頭を押し付けるものにそれは良く似ていて、可愛い。と直感で思った
フロイド先輩は私になんども懲りず接してくれる
こんな風に避けていたら寂しがってくれるし遊んであげると子供のように喜ぶ
そりゃあ全部彼の気分もあるが。こうして会いに来てくれるフロイド先輩は私にとって大切な存在であった
頭をそっと撫でるとさらりとした天色の髪が喜ぶように跳ねる
こんなに大きな人なのに子供のようだ
可愛い。いつまでも撫でてあげたい
あれわたし、フロイド先輩のこと……
.
「フロイド先輩」
ドクリ、と心臓がうるさく主張した
どうして、もう少しこのままで居させて欲しいのに
「サクラちゃん……」
「……」
どうして
「Aちゃん。それ以前に迷惑だって言ってましたよ」
あ、言ったっけそんなこと
いきなり抱き上げるのはあんまりして欲しくない。とは愚痴を言った気がする
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ローズの薔薇 - リドルクン。私アリスなの?アリスだったら良いのになぁ(幼い頃の自分の夢だったらしい)もし私をアリスにしてくれるかな?リドルクン。(ハートの女王) (2022年4月24日 15時) (レス) @page34 id: afcb507146 (このIDを非表示/違反報告)
太宰、乱歩などの頭脳派推し - けーくんエッッッッロッ!色気ハンパないです。最推し何です。けーくんのRお願いします。 (2022年3月5日 19時) (レス) @page48 id: 6e38a4139d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖 - え……??絵がうますぎません????物語も神ですし……有難うございますぅぅぅぅぅ (2021年9月11日 14時) (レス) id: 0301fd6d5d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - ちょくちょくはさんでくるヤンデレ系がまた…最高ですね (2021年8月5日 19時) (レス) id: e0681dd9d0 (このIDを非表示/違反報告)
riona - 物語も良き…絵も良き……ここは天国ですか?? (2021年8月1日 17時) (レス) id: 235e0c7d90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソーダ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年5月6日 2時