いかないで【フロイド】 ページ23
目視だが、プールがありそれから5メートルといったところだろうか
ふと3階の生徒たちと目が合い、少しはにかんで笑って見せる
生徒たちは箒にでも乗っていると思われたのだろうか、微笑み返してくれて去っていった
それを最後に、落下していく
気圧が全身に押し付けるようにかかり、前の世界でいつか乗ったフリーフォールを思い出す
比ではないがふと頭をよぎったのだ
「きゃぁぁぁぁあ!!!」
背中を下にして浮遊感に酔いそうになったが、数秒にして私の体はプール内に飛び込んだ
大きな水しぶきを上げて水の中へ入り
背中やら頭やら足から空気の粒が水面に向かって上がっていく
うちの学園は平均的に体が大きい人が多いのでプールはすごく深い。そこで改めて男子校だと言うことを思い出す
上も下もよく分からないまま体は沈んでいった
口から空気が漏れ出て慌てて両手で塞ぐ
背中が水面に叩きつけられ全身が痛くて上手く動かない
底に叩きつけられなかっただけマシなのだろうか
泳げない。たったそれだけの事なのに死にそうだ
そういえば誰も助けてくれなかった、昨日の夢では
ああまさか正夢になるだなんて。まだフロイド先輩に触れられてないのに
ここに飛ばされる前に最後聞こえたフロイドはの声が頭によぎった
水の外から何を言っているかは分からないが人の叫び声が聞こえる
息が持たなくて意識が蒙昧し視界が暗くなる
重くなった瞼をゆっくり閉じようとすると
バシャッ!
大きな水の音がしてザブザブと何かがこちらへ向かってくる
瞼が血が通ったように軽くなり薄く目を開くと
体が一気に持ち上げられた
「小エビちゃんみ〜っけ」
重くて冷たい水ではなくて、軽くて暖かい空気が肌に触れる
ふとももに太くてしっかりとした男の人の腕の感触がしてそれは微動だにすることはなく
半身だけ水に浸かったまま体が縦に抱き上げられており、肩口が目の前にあった
頬に人の体温が重ねられ、意図せず涙が溢れる
それは嫌でも感じさせられた人の感触
「フロイド……先輩……」
「なぁに〜?」
だいじょうぶ〜?という声が、彼の少し低い体温が
これが現実なのだと教えてくれる
身長の高い彼は底に足が着くようでさっきまで私が溺れていたのが嘘のように立って見せていた
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ローズの薔薇 - リドルクン。私アリスなの?アリスだったら良いのになぁ(幼い頃の自分の夢だったらしい)もし私をアリスにしてくれるかな?リドルクン。(ハートの女王) (2022年4月24日 15時) (レス) @page34 id: afcb507146 (このIDを非表示/違反報告)
太宰、乱歩などの頭脳派推し - けーくんエッッッッロッ!色気ハンパないです。最推し何です。けーくんのRお願いします。 (2022年3月5日 19時) (レス) @page48 id: 6e38a4139d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀糖 - え……??絵がうますぎません????物語も神ですし……有難うございますぅぅぅぅぅ (2021年9月11日 14時) (レス) id: 0301fd6d5d (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - ちょくちょくはさんでくるヤンデレ系がまた…最高ですね (2021年8月5日 19時) (レス) id: e0681dd9d0 (このIDを非表示/違反報告)
riona - 物語も良き…絵も良き……ここは天国ですか?? (2021年8月1日 17時) (レス) id: 235e0c7d90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソーダ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年5月6日 2時