77話 ページ29
その後は体調がすっかり回復したので、他のアトラクションに乗った。
コーヒーカップのハンドルをふざけて回したら酔ったり、お化け屋敷ではドス君の腕にしがみつきながら絶叫したり……とても楽しかった。
しかし、楽しい時間というのはあっという間なもので。
日はすっかり落ちて、空を見上げれば星が輝いている。そろそろ閉園の時間も近付いているから、次が最後のアトラクションになるだろう。
「どうします?ギリギリまで何か乗りますか?」
「うん!最後は観覧車って決めてるの!」
シメは観覧車という相場がある。文ストの世界ではどうか知らないけど。
一日中遊んでいたけど疲れはほとんど感じず、ウキウキと観覧車の場所へ向かう。
同じ考えの人が居たのか数分待ったが、苦にならない程度だったのですんなりと乗れた。
狭い車内の椅子に向き合って座る。
建物の灯りに照らされるドス君が思った以上に格好良くて何だか照れてしまう。
ドス君てばどんな格好でも絵になるね……好き……
4分の1ほど登った所で地上を眺めると、街の夜景が一望出来た。窓から漏れる灯りがキラキラと光って幻想的だ。
「凄い、高ーい!」
「あまり動くと揺れますよ」
もっとよく景色を眺めたくて、立ち上がって窓に額をぴったりくっつける。
子供みたいだと笑われそうだけど、まだ18歳。ピチピチのJKだ。だから子供といえば子供!
景色に夢中になっていると風が吹いてゴンドラが少し揺れた。そのせいでバランスを崩して、尻もちをつく。衝撃でゴンドラが大きく揺れる。
「いやあああああ!ゆれ、ゆれてる!!!」
「自業自得じゃないですか……」
ちゃんと忠告してくれたのに転んだ私を見かねたのか、手を掴んで支えてくれた。
涙目で「ありがとう」と言うと、ドス君は楽しそうに口角を上げた。
足元から見上げるドス君は、夜の景色に照らされて、酷く幻想的に見えた。
「夜景をバックに佇むドス君もかっこいい……」
「貴女も懲りないですね。揺らしましょうか?」
「やめて!!」
ポロッと本音が漏れただけなのに、足を持ち上げて揺らそうとするドス君。
やめてやめて!としがみつくと、くつくつと楽しそうに喉を震わせていた。
でも格好良いのは事実だから仕方ないよね!何度でも言いたくなる!好き!!!
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食塩水(プロフ) - 名前さん» 長い間待っていて下さりありがとうございます!優しいお言葉、身に染みます…これからも不定期更新ではありますが、あんなにお待たせしないように書き進めていきたいと思います! (2020年6月14日 22時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
食塩水(プロフ) - まやさん» 長い間待っていて下さりありがとうございます!これからはあんなにお待たせする事がないように書き進めていきたいと思います…! (2020年6月14日 22時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
食塩水(プロフ) - あやめさん» 更新お待たせ致しました…!2ページ"も"と捉えて頂けてありがたいです!自己満足な作品ではありますが少しでも楽しんで頂けるよう、もっと更新出来るように頑張りますね! (2020年6月14日 22時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
名前 - 更新されてる……ありがとうこざいまああす!これからも作者さんのペースで頑張ってください!楽しみに待ってます!! (2020年6月14日 21時) (レス) id: 6e285a92e8 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 更新ありがとうございます!!これからも更新待ってます!頑張ってください!!!! (2020年6月14日 15時) (レス) id: f151b0ddd6 (このIDを非表示/違反報告)
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