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49話 ページ1

ドス君に再び助けられ、またあの家に帰る事になった。
ゴーゴリ君やチャロフ君は驚くかな、と思っていたんだけど意外にも反応は薄く、笑顔で迎えられた。

出て行った奴が戻ってきて、もっと驚くと思ったんだけど……


まあ細かい事は気にしても仕方ない。
歓迎されている事を素直に喜び、もはや私の定位置となった席につき、チャロフ君が紅茶を入れてくれる。

ゴーゴリ君やチャロフ君は気を使ってくれているのか、何も聞かない。
リックの死が悲しくない訳じゃない。でも思い出すとと気が滅入ってしまう。



そんな今までと変わらない生活を続けて、1ヶ月が経過した。



ーー


「日本に?」

「ええ。Aさんも一緒に如何ですか?」




突然告げられた、ドス君の日本への旅立ち。
それに私も着いてきたらどうかと提案され、少し考える。
確かに、最近ではリックの死への傷心も癒えてきて、元気に振る舞えるようになったところだが。




「元々、日本へはそのうち行くつもりでした。ですが今はAさんが居ますから……置いていくわけにもいかないでしょう?かなり長期滞在になる見込みですので」

「そういえば、そんな事言ってたような」




日本語を話せるのも、日本へ行くために勉強中とか……言ってた気がする。もう半年も前の話だからよく覚えてないや。




「それに、世界こそ違いますが、元々貴女が住んでいたのは日本ですし、日本には異能力者の組織もありますから、何か帰る手掛かりがあるかもしれません」

「そうだね。じゃあ私も行く!」




笑顔で頷いて了承し、ドス君は「分かりました」と部屋を出ていった。それを見届けて、ふぅ、と息をつく。

ドス君は帰る為の事を考えてくれているけど、本当は帰りたくない。あんな風に色々説得する為の材料を述べなくても、間違いなく私はドス君に着いていっただろう。

だって離れたくないもの。


ホテルが全焼した際の心の傷を癒してくれたのはドス君だった。
そのせいか、どこかドス君に依存している様子があるのだが、私はそんな事に気付かない。
なぜなら気付かれないように、まるで洗脳のように依存させているのはまさしく彼であるからだ。




「でも日本かあ……私の世界と似たような感じなのかな」




知らない世界の、知っている国。
きっともう会うことは叶わないだろう家族へ思いを馳せ、そっと目を瞑った。

50話→



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食塩水(プロフ) - 名前さん» 長い間待っていて下さりありがとうございます!優しいお言葉、身に染みます…これからも不定期更新ではありますが、あんなにお待たせしないように書き進めていきたいと思います! (2020年6月14日 22時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
食塩水(プロフ) - まやさん» 長い間待っていて下さりありがとうございます!これからはあんなにお待たせする事がないように書き進めていきたいと思います…! (2020年6月14日 22時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
食塩水(プロフ) - あやめさん» 更新お待たせ致しました…!2ページ"も"と捉えて頂けてありがたいです!自己満足な作品ではありますが少しでも楽しんで頂けるよう、もっと更新出来るように頑張りますね! (2020年6月14日 22時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
名前 - 更新されてる……ありがとうこざいまああす!これからも作者さんのペースで頑張ってください!楽しみに待ってます!! (2020年6月14日 21時) (レス) id: 6e285a92e8 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 更新ありがとうございます!!これからも更新待ってます!頑張ってください!!!! (2020年6月14日 15時) (レス) id: f151b0ddd6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:食塩水 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年10月30日 21時

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