ある人の親戚が､ヨコハマへ行く話２ (ページ10)

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５１、光の話ページ10

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「､､､､､､！」

鏡花の顔が、更に恐怖に顔を歪ませる

「息災じゃったか？私がどれほどそなたを案じ、胸を痛めたか。このような＿＿＿」

「う､､､､､､」

「獣畜生共の下にそなたを残す事になって」

「ぐあッ！？」

全身に巡る痛みで呻く敦に、紅葉が歩み寄ると力強く傷口を踏みつけた

『＿＿尾崎紅葉』

「そなたも久しいのう、西條Aや。偽善の下でさぞ苦境に立たされた事じゃろう」

紅葉はAに哀れみの目を向けるが、本人は意味がわからず顔を顰める

『どう云う』

「じゃが私が扶けに来た。もう心配は要らぬぞ」

言葉を遮り、優しげな声で語り掛ける。携帯を閉じれば、夜叉が霧のように消える

「何故、貴方が､､､､､､携帯を」

「簡単じゃ。この小童が云う業者とやらを、刺して吐かせただけの事」

そう云いながら更に踵をめり込ませる。敦はあまりの激痛に短い悲鳴をあげた

「もう何も思い煩う事は無い。私が守ってやろう」

「彼女はもう、マフィアには戻らない！彼女の力は探偵社の仕事で振るわれるものだ！」

痛みに耐え地面から起き上がらんとする敦。そんな敦の叫びに、紅葉はぴくりと反応を示す

そして涙した

「！？」

「矢張り､､､､､､鷗外殿の許可など待たず、迎えに来るべきであった。このような欺瞞(ぎまん)と偽善の巣に、そなたを一秒も置いてはおけぬ」

徐々に鏡花へ近寄り、割れ物扱いで優しく抱きしめた

「可哀想な鏡花や。甘言に唆され、そこが光の世界と勘違いしたのであろう。じゃが奴等は孰れ云うぞ。

夜叉白雪を使えと」

鏡花の目が見開かれる

「それは嫌であろう？じゃが案ずるでない。異能目当ての屑共など、私が微塵に切り裂いてくれる」

「マフィアがそれを云うか､､､､､､！」

敦のしようとしている事を察し、Aは止めようとするが遅かった

手足を虎化した敦が飛翔し飛び掛かるが、目前で身体中が切り裂かれる

「遅いのう」

紅葉の背後に、ゆらりと二体目の夜叉が現れた