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49、アウトの話 ページ8




「、、、、入れない?」


訪れた裁判所のロビーで、鏡花は足止めを食らっていた。警備員に(いぶか)し気に訊き返す


「許可が必要です。そこの手続書類に記入して、受理まで待って下さい」


警備員の声、表情はひどく冷淡だ。


「私は探偵社員。これを届けに」

「どのような件でも同じです」

「、、、、、、約束の時間が」

「規則ですから」


鏡花が闘争心を燃やす









『困りましたね。連絡の行き違いでしょうか』

「、、、みたいだね」


一旦柱の影へ移り、相談開始


「あの警備員さんを何とかしないと」


鏡花が小首を傾げた


「え、、、、、、




消す?」

『はいアウト』

「私が教わったのは、、、、、まず色仕掛けで人目の無い場所に誘い込んでから、ぐさりと」

「うん、、、善い悪い以前に計画の最初に問題がある」


鏡花の打ち出す策に敦はだらだらと汗を流し、Aは静かに鏡花が自身で捲った着物をなおす



その時、判事が廊下を堂々と歩くのが目に入った

鏡花は素早く反応して声をかけるが、気づく事なく昇降口に乗ってしまう


これには敦もAも途方に暮れるが、鏡花は違った


「、、、、、、探偵社員は諦めない」


そのまま二人の手を掴み、関係者以外立ち入り禁止通路へと駆け出す


「ちょっと、鏡花ちゃん!?」





「だ、、、大丈夫かな?」

「これでも元暗殺者。潜入の技倆(わざ)は叩き込まれてる」


心配そうな敦の横で淡々とピッキングをする鏡花


ピッキングも出来るのか


「確かに時間もないし、他に方法は無さそうだけど、、、」

「任務に失敗すれば、マフィアでは生きていけなかった。この位の施設、何でもない」


ピッキングに成功し、見事に鍵が開く


「大丈夫、必ず仕留める」


鏡花は扉の奥へと消えていった


「『、、、、、、ん?』」



嫌な予感しかしない

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作者名:瑠風 | 作成日時:2022年5月10日 3時

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