ある人の親戚が､ヨコハマへ行く話２ (ページ32)

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７２、国木田の話ページ32

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無事とは云い難い姿だったが、攫われた敦はなんと白鯨(モビー・ディック)から脱出してきたそうで

帰るなり、福沢とともに部屋で豪(えら)く話し込んでいる

内容は知らないが、時間的に中々難しい話なのだろう

嗚呼仕事が多い

街は壊滅を免れたとはいえ、先日の暴動が無くなる訳ではない。死者、重軽傷者、建物の崩壊多数

Qもとい久作は未だ組合の手の中、企めば二度目を起こすことも可能

戦争だって終結していない

そりゃ忙しい

やっべ資料が落ちる

『おわっすみません』

手からすり抜けた資料を辛うじて掴む。よそ見のせいでなんとも頼もしい背中にぶつかってしまった

「､､､､」

『国木田さん？』

「国木田君？」

微動だにしない国木田を太宰がつつくと

仰向けに転倒

『国木田さァん！？』

どうやら太宰が元ポートマフィアと云ったそうで、脳が故障してしまったのだと

自分だけ知らなかったのだから尚更

国木田が呪われている最中の出来事＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

『太宰さんって悪魔ですよね』

「人をいきなり悪魔呼ばわりなんて、酷いじゃないか」

『自分の手を見てから云ってくれません』

人が呪われて恥ずかしい台詞を連呼している処を、「後で揶揄ってやろ」という思考のもと録画する姿を、悪魔と呼ばずなんと呼ぶ

後に話を聞いた敵幹部のNさんにまで苦労してると云われる程だぞ。顰めっ面のジト目で可愛く見せてるの知ってるからね