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71、この世界の話 ページ31




駅のホームで、割れた眼鏡を拾い上げる


これは春野の物だ

太宰から渡された包帯で、すっかりいつも通り(・・・・・)の顔にになったAは、同期に声をかけられるまでその眼鏡を見つめていた


『、、、春野さん。眼鏡ありましたよ』








「(外傷どころか瘢痕なし。服についた血痕からしてそう浅い傷じゃなかった筈)」

『あの』

「喋るンじゃないよ」

『すみません』


与謝野と向かい合って座る事数分。血だらけの上着を投げ捨てられ、首の怪我を診てもらっている

だが


「異常なし。アンタの体には恐れ入ったよ」


そう長く経たず、Aの怪我は完治していた。故に今回は治療を回避

良かった


心の底からホッと安心が溢れる


「全く、外に出る度血痕をつけて帰ってくるね。怨まれることでもしたのかい?」

『そうですねえ』

「真面目にしな」


とは云っても、怨みなんて心当たりがあり過ぎて、数えるのが面倒になってくる





『春野さんとナオミはどうですか』

「大事はないよ。今は時間が必要だが、伊達に此処(武装探偵社)の事務員をしちャいないからね。数日後には忘れてるさ」

『わーお。お強い』


軽口を云い合うほど交流が進んだことに、少しの喜びを感じながら、扉を開ける

開けたすぐ目の前には国木田がいた




次に目についたのは、彼の首筋に刻まれた手形の痣





その痣は、この世界のどこかで、子供が世界を呪った証







屋上でぽーっとしていた太宰を呼び戻す。痣を見せると矢張りQの異能力によりできたものだった

呪われた者は、誰彼かまわず暴れ回って最悪死ぬ


与謝野、太宰、賢治、Aが囲うのは椅子に鎖で縛られた国木田


「おい、太宰、、、、、、、、始まったぞ、、、!」


敦の時と同じように、目から血が零れ落ちる



混沌(カオス)が街を覆うまであと__

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作者名:瑠風 | 作成日時:2022年5月10日 3時

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