63、事務員の話 ページ22
・
走行中、事情を聞いた谷崎は明らかに冷静さに欠けていたが国木田の一喝で落ち着いたり、指示で警察に通報、加えて列車に十秒間だけ止まる様頼んだりと事務員が全力で逃げれるよう手配した
ナオミは、Aが横浜に来て初めてできた友達
春野にだってお世話になったことが何度もある
旅館でジョン・スタインベックとラヴクラフトの裏をかいて従業員通用口から脱出したナオミと春野
うまく逃げられたかと思ったが、突如として車体が大きく揺れ重力に逆らい持ち上げられた
「何!?」
「何かが車体に、、、、、!」
車を発進させようと
外をよく見ると、車を煽っていたのは木の幹であった
ミシミシと嫌な音を立てて徐々に締め付けられていく
「此の儘じゃ押し潰されますわ!」
途端に幹が停止した
「、、、、、、止まった?」
「申し訳ないね、お嬢さん方。まさか裏をかかれるとは、さすが探偵社は隅々まで人員が行き届いているね
君達は葡萄の育て方を知ってる?葡萄の枝は他の植物と活着する力が強い。だから接ぎ木して育てるのさ」
スタインベックの「こんな風に」という言葉と共に幹が行動を開始した
彼の"葡萄の樹と身体を融合させる"能力は力も範囲も小さいが、葡萄の特性である活着力を利用して融合していけば土地一体の植物を身体の延長線として使える訳だ
そして今居るのは、その能力を最大限発揮できる山
不利なのは云うまでもない
三人は森を進む。でなければ二人が組合の団員に連れて行かれてしまうから。Aが先によく目を凝らせば、幹によって持ち上げられた車体とその下に佇む二人の姿が見える
出来るだけ気配を消す、悟られないように
その光景をはっきり認識出来るほどに近づいた頃、谷崎が細雪を発動し三人の姿の上に背後の風景を上書きした
そしてA、国木田が組合の団員付近へ、谷崎がナオミと春野の元へ
ラヴクラフトは奇妙なものを見た。そこに存在するには余りにも不自然な雪を
488人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:瑠風 | 作成日時:2022年5月10日 3時