59、奇襲戦法の話 ページ18
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Aは紅葉が捕虜として拘束されている部屋の前に居た。
なんとなく、紅葉と目を合わすのは気が引けたからだ
Aは右目が包帯によって死角だ。故に無意識で聴力を集中させている。しかも扉一枚先なので少しだが会話が聴こえてくる
あまり盗み聞きする趣味はないが、敦の怒りに任せた声ははっきりと聴こえた
それから一分と経たずに敦が部屋から出てきて、目が合う
「、、、Aちゃん」
『終わりましたか。あれ、太宰さんは』
「私に任せろってまだ中に。太宰さん、何をする気なんだろう」
『、、、さあ?それより国木田さんが荷物整理を手伝えって云ってました。行きましょうか』
「そうだね」と敦はAの隣に並び歩き出した
その後、荷物整理をしたり一人外に出た福沢が襲撃にあったが凡て返り討ちにしたり、社屋を離れ「旧晩香堂」に移動したりと慌しかった
当然と云えば当然だ
旧晩香堂にて、七人の社員が集っていた
晩香堂は通常の入り口が存在せず、入るためには地下の廃路線を通るしか道がないため、警戒は監視カメラがあれば事足り、人手を割く必要がないのが良点だ
福沢も到着した
「社長」
「皆聞け」
全員が福沢に注目する
「嘗て___三日か二日前には戦争を免れる途は在った。しかしその途も今や閉ざされた。社の鏖殺を謀るマフィア、社の簒奪を目論む組合。この両雄より探偵社を守らねばならん
太宰、説明を」
「はあい」
太宰の気の抜けた返答は変わらずであった
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作者名:瑠風 | 作成日時:2022年5月10日 3時