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43、泉鏡花の話 ページ2




雀の鳴く朝、敦は自身の部屋で目を覚ました。そしてはっきりとしない意識で異変に気付く


「(、、、、、、ん?何か良い匂いが、、、)」


横を見れば出来立ての朝食






そして


「お早う御座います」


泉鏡花が居た










「同棲なんて聞いてませんよ!」


朝から元気な敦の声。息切れしていることから、大慌てで事務所にきたのが解る


「部屋が足りなくてねえ。それに、新入り二人には家賃折半が財布に優しい」

「しかし」

「彼女は同意しているよ。ねえ」


太宰が鏡花に問うと、鏡花は「指示なら」と平坦に答えた

あとは敦の同意だけなのだが、まだ納得いってない様子


「判らないかい敦君。マフィアを追われ、縁者もない彼女は沼の中のように孤独だ。

それに裏切者を処する為に、組織の刺客が来るかもしれない。独り暮らしは危険だよ」

「た、、、、、、確かに」


ひそひそ話している為鏡花には聴こえていない


「君が守るんだ。大事な仕事だよ」

「判りました!頑張ります!」


持ち前の雄弁さで、すっかり敦をその気にさせた太宰



見給え、敦の純粋で輝いている眼を






「(太宰の奴、また敦で遊んでいるな、、、)」

『(なんとも不憫な)』


でも止めない









そう云えば


『あの、泉ちゃん、、、でしたよね』


Aは立ったままの鏡花に話しかけた。鏡花が振り返る

初めて鏡花が探偵社に来た時、Aは太宰を捜していたので話すのも顔を見るのもまだだった


「貴方は、、、」

『初めまして、私は西條Aと申します。敦の同期です』

「、、、私の名は泉鏡花。好きなものは兎と豆府、嫌いなものは犬と雷。よろしく」

『はい。よろしくお願いしますね』





自己紹介をしたは善いものの、早速話題がなくなり静寂が訪れる

鏡花は表情を変えずに只々Aを見上げている


呪術高専では、常に人手不足。故に生徒の数も少なかった。実際では知らないが、顔見知りの生徒だけでは東京校のみで両手で数えれる



幼少期にも友達は居なかったので、経験がとてつもなく浅い


『えーっと、、、』

「、、、、、、」


友達ってどうつくるんだっけ

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作者名:瑠風 | 作成日時:2022年5月10日 3時

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