2-30.何を思う ページ35
アメリside
あれは数年前に開催された
その日の大貴族会はいつもと雰囲気が違った。珍しく
"盾座"という称号を敬称で呼ぶ行為は通常ではないが、どうにも彼の家名"ザラキエル"という名には微弱な認識阻害類いの魔術が掛けられているらしい。
微弱というのは本当に微弱らしく「覚えずらく、知らず知らずの内に名前を忘れる」程度の魔術だそうだ。効力は名前の認識を重ねる毎に薄れていく。
あまりに普通で半端であるがそれ故、実に自然な魔術だ。
よって彼を指す名を口にする時には称号で呼ぶ者が多い。名と容貌に結びつかない悪魔が多数存在するからだ。
恐怖を屈辱とする悪魔へ恐怖の象徴を植え付けた"死神"と畏怖された男。
初代であり先代である
魔王が消失して盾座様が大貴族会に主席することはなかった。
だからその日は異例だったのだ。
私は高揚した。父から盾座様が成し遂げた数々の崇高な功績を何度も聞いたことがあったからだ。
盾座様が成した幾千にも及ぶ魔術の開発は現代でも幅広く常用され、盾座様が打った戦争の終止符に救われた民のなんと多きことか。
だが違ったのだ。数多な貴族悪魔が其の方へ向けていたのは蔑視であり、其の方に向けた文言は冷徹で殺気を含んだ誹謗だった。
父の影から顔を覗かせ目にした盾座様の腕には二歳にも満たないような少女がいた。
いたいけな子ども悪魔でさえ向けられる目線は値踏みされるような品質を測るような心無いものばかり。
中には猥褻的な目で見てみた者もいただろう。当時は理解出来なかった猥言を吐く輩もいた。
生まれて初めて「迫害」を目にした。
直接的な暴虐などなく、汚い罵詈雑言を並べ、唾を吐き散らす者など居なかった。
ただただ静かだった。だからこそ一人一人が吐く悪罵は鮮明に聞こえた。
あの空間は当時の私を恐怖させた。理解が出来なかった。
彼らの待遇に疑問を持つ者があの空間には居なかった。
私はお父様に連れ出された。震えていた。涙が出た。怖いと感じた、恐ろしいと思った。
なぜ怖いと感じているかすら分からなかった。
分かるのは、彼らに向けられた文言は、私にとって決して当たり前ではないということだけだった。
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シア(プロフ) - 最新待ってます‼︎ (11月11日 2時) (
レス) @page26 id: 38b8a932a2 (このIDを非表示/違反報告)
紫庵(プロフ) - 合格おめでとうございます！！これからも更新楽しみに待ってます(^^) (11月6日 0時) (レス) @page19 id: 110658a7c9 (このIDを非表示/違反報告)
マジモンの名無し(プロフ) - ぬうからお名前変えました。 受験合格おめでとうございます！！！ (11月5日 20時) (レス) @page19 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ - とっても面白いです！ずっと待ってます！ (8月7日 13時) (レス) @page19 id: f9e5903924 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう(プロフ) - 了解しました。受験勉強頑張っ！受かるように祈っておきます (7月2日 14時) (レス) @page19 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶漬けモドキ | 作成日時：2022年5月24日 17時
