2-28.阿鼻空間 ページ33
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アメリさんが勢いよく開けた扉に殴られた衝撃が繰り広げた鈍い音で虚ろ虚ろしていたアンリさんは我に返ったように覚醒し大袈裟と言える程の適切な処置を行った。
ぶつかったコンマ数秒後には彼が隣で治癒魔術を掛けているという早すぎる移動速度と処置と切り替えだった。
その上私の背と膝裏に手を伸ばした状態にも関わらず揺れ一つ感じない安定感を保ちながら職員室へ全力疾走し、且つ重ねて強力で正確な治癒魔術を同時並行で掛けるという妙技を行われたことによって、職員室に着く頃には鼻血は止まり打撲の方も完全回復しているという状態であった。
職員室に駆け込んだアンリさんが「助けて下さいッタツバが死んでしまう！」と焦慮し叫ぶ姿を目にした教師陣は酷く困惑した顔をしていた。
当然だ。十三冠である人物が仕事中、職員室に派手に飛び込んできたら驚愕だ。
そんな静まり返った微妙な空気は教師陣の悲鳴により破られた。
「血ぃいいいッ！！」
「ドゥわァちょ、いしゃっ医者あ！」
阿鼻叫喚とはこの為に作られた言葉だと断言できるほどにこの状況と一致していた。授業前ということもあり教師の数は通常に比べて少ないが、それでも大人悪魔数名が一斉に上げる音圧は微かに空間が揺れたような気さえした。
アンリさんに追いつき、いつの間にか職員室へ到着していたアメリさんも"阿鼻叫喚"に引っ張られるように瞳に涙を浮かばしていた。
彼が施して下さった魔術のおかげで鼻血は止まったと明言したが、治癒魔術とは傷を再生させる魔術であり一度出血した血液を消去する効果は無い。
顔を抑えていた手掌には鼻からの出血量とは思えない程の乾き始めている鮮血がまとわりついており、それは制服の裾にも付着してしまっていた。
今更気がついた胸元、首元がべとりと赤く滲み
「A誰にやられた！」
「ばっか野郎まずは治療だ！ピス先生を呼べ！」
「もう治ってます」
「嘘つけ！！」と一同から突っ込みを食らった。本当なのに。
「ごめんなタツバ、私のせいでこんなことに」
「もう治ってますって」
「私は遺言なんて聞きたくない」
「遺言じゃなくて寛解の報告です」
「大丈夫だアメリ。タツバは助かる」
「もう助かってますよ」
その後、駆け込んできたピス先生の治療を受けたが、異常などなく、しかし重ねて三十分超えの健診を隈なく受けさされた。
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シア(プロフ) - 最新待ってます‼︎ (11月11日 2時) (
レス) @page26 id: 38b8a932a2 (このIDを非表示/違反報告)
紫庵(プロフ) - 合格おめでとうございます！！これからも更新楽しみに待ってます(^^) (11月6日 0時) (レス) @page19 id: 110658a7c9 (このIDを非表示/違反報告)
マジモンの名無し(プロフ) - ぬうからお名前変えました。 受験合格おめでとうございます！！！ (11月5日 20時) (レス) @page19 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ - とっても面白いです！ずっと待ってます！ (8月7日 13時) (レス) @page19 id: f9e5903924 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう(プロフ) - 了解しました。受験勉強頑張っ！受かるように祈っておきます (7月2日 14時) (レス) @page19 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶漬けモドキ | 作成日時：2022年5月24日 17時
