2-25.個々の家 ページ27
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イルマくん達にも一言声を掛けて帰ろうと思いサリバン様と一緒にイルマくんとオペラさんがいる所まで移動した。
そこにシャックスとアンドロの姿はなかったので、イルマくん一家だけにでも軽い挨拶を済ませて帰ろうとしたらサリバン様に引き止められた。寮まで送ると。
断りはしたが上手いこと言いくるめられサリバン一家の馬車に乗せられた。
バビルスからそこまで離れていないのに、申し訳ない。
「わざわざありがとうございます」
「気にしなーいで。僕たちもタツバちゃんと一緒に帰れて嬉しいからさ」
ねーイルマくん、と隣に座った孫の肩を抱きそれにビクついたイルマくんは自分に話が振られると思わなかったのか「え？あっうん！」と雑に返事をした。
「ところでぇーイルマくん学校ではどんな感じー？」
僅かだが耳を赤く染めて「ちょっと」と制止しようとするイルマくんの横で体をくねくねさせるサリバン様。
なるほどこれが聞きたかったのか。
「有名人ですよね。位階の昇給も早いですし。皆の人気者ですよ」
サリバン様は自分が褒められているかのように嬉しそうな反応を見せた。
「今回の師団披露でまた上がるかもね、イルマくん」
目を瞠ったイルマくんは雲のようなふわふわした笑顔を浮かべ「そうだったら嬉しいなぁ」と照れくさそうに笑った。
「ハナビも綺麗だったよ」
「へへっありがとう。あ、そうだ。タツバさんが描いてくれたハナビの絵、魔具研の部室に飾らせてもらってもいいかな？むむムリにとは言わないけど！」
「あれは貴方にあげた物だから。好きに使ってよ」
イルマくんはありがとうと眩しい笑顔を見せた。
カメラを構えたサリバン様を見ない振りしながら雑談を交わした数分後、馬車は緩やかに止まり「到着しました」とオペラさんが扉を開けてくださった。
「お忘れ物はございませんか？」
「大丈夫です。送って頂きありがとうございました」
「なんのなんの。目前ではありますがお気をつけて」
「またねタツバちゃん」
「また明日！」
おやすみなさいと背を向け寮の門をくぐり寮の扉を潜ると、漸く馬車が動き出し車輪の遠ざかる音が聞こえた。寮に入るのを見ていて下さったのだ。
フゥーっと息をついた。無意識に気が張っていたんだ。
サリバン様は私の祖父が不在だったことを触れて来なかった。祖父に一番会いたいのはサリバン様であるはずなのに。
私はサリバン様の気遣いに何とも言えない気持ちになりながら、自分の部屋に帰った。
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シア(プロフ) - 最新待ってます‼︎ (11月11日 2時) (
レス) @page26 id: 38b8a932a2 (このIDを非表示/違反報告)
紫庵(プロフ) - 合格おめでとうございます！！これからも更新楽しみに待ってます(^^) (11月6日 0時) (レス) @page19 id: 110658a7c9 (このIDを非表示/違反報告)
マジモンの名無し(プロフ) - ぬうからお名前変えました。 受験合格おめでとうございます！！！ (11月5日 20時) (レス) @page19 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ - とっても面白いです！ずっと待ってます！ (8月7日 13時) (レス) @page19 id: f9e5903924 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう(プロフ) - 了解しました。受験勉強頑張っ！受かるように祈っておきます (7月2日 14時) (レス) @page19 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶漬けモドキ | 作成日時：2022年5月24日 17時
