2-24.同級生の祖父 ページ26
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「タツバちゃん」
不意に呼ばれ振り返ればさっき礼を交わしたサリバン様がそこにいらっしゃった。
「こんばんは」
親密さを感じさせられるような穏やかな声。咄嗟にこんばんはと声を上ずらせかけながら失礼のないように向き直り一礼をした。
先程までいた場所を視界の端で確認するとイルマくんはまだアンドロ達と話している。オペラさんもそっちにいた。
「イルマ君達はいいのですか？」
「大丈夫だよ。僕は今タツバちゃんと話したいんだ」
次期魔王になるのは彼だと囁かれている噂を耳にしたことがある。13冠の中でも三傑という地位に位置し実力は魔界を統べる者としても申し分ない程だと。
だがこのヒトが魔王を推薦される理由は決して実力だけではない気がする。
「そうですか」
このヒトは悪魔タラシだ。
「バビルスは楽しい？」
「はい。とても」
「それはよかった、安心したよ」
より一層柔らかくなった瞳には私が映し出されている。
澄ました顔で嘘をついた私が。考えるより先に言った事は本心とは微妙にズレている気がした。
楽しいかなんて聞かれても実際のところ分からない。妥協した答えだった。
「イルマくんのことありがとうね」
離れたベンチに腰を掛けられ座るよう目線を送られたので失礼しますと言って腰掛けた。
「なんのことですか｣
「飛行レースのこと。イルマくんの怪我治すために職員室まで連れて行ってくれたでしょ？ちゃんとお礼が言えてなかったからね」
それは初めてイルマくんと話した時のことだった。
「私は何もしてませんよ。あの時は逆に怖がらせてしまったかもしれないです。ごめんなさい」
私の目を見つめる視線から逃げるように頭を下げた。
下げた頭にふっと置かれた大きな手が一定の拍で頭頂部から後頭部に沿い撫でられる。
「イルマくんはねぇ優しい悪魔に出会えたと言っていたんだよ」
「ブエル先生のことでしょう」
「君のこともだよタツバちゃん。飛行レースだけじゃない。色んなところで助けてくれるってイルマくんから聞いてるんだ
本当にありがとうね」
居心地が悪かった。だって今までイルマくんにしてきたことは全部序でにしたことで、それがたまたまイルマくんの一助となっただけのことだから。
感謝される筋合いは無いのに
その"ありがとう"はじんわりとした温もりを生んだ。
「どういたしまして」
サリバン様は、笑ってくれた気がした。
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シア(プロフ) - 最新待ってます‼︎ (11月11日 2時) (
レス) @page26 id: 38b8a932a2 (このIDを非表示/違反報告)
紫庵(プロフ) - 合格おめでとうございます！！これからも更新楽しみに待ってます(^^) (11月6日 0時) (レス) @page19 id: 110658a7c9 (このIDを非表示/違反報告)
マジモンの名無し(プロフ) - ぬうからお名前変えました。 受験合格おめでとうございます！！！ (11月5日 20時) (レス) @page19 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ - とっても面白いです！ずっと待ってます！ (8月7日 13時) (レス) @page19 id: f9e5903924 (このIDを非表示/違反報告)
ぬう(プロフ) - 了解しました。受験勉強頑張っ！受かるように祈っておきます (7月2日 14時) (レス) @page19 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶漬けモドキ | 作成日時：2022年5月24日 17時
