＞ ページ42
＊*
「失礼します、」
しんと静まり返る生徒会室。
書類にペンを走らせていた桃李くんと衣更くんは、私を見て気まずそうに目を背けた
それを見た弓弦くんも、何かを察したように身を引いて紅茶の準備に取り掛かる
「やあ、Aちゃん」
生徒会室の中央、一際目立つ席に座っている生徒会長が、私に呼びかけた
その隣では、副会長が少し戸惑ったような表情でこちらを伺っていた
「…あ、頂いていた資料を返却しに来ました。いろいろと、参考になることが多かったです」
「そうかい、それは良かった」
にこやかに。
生徒会長は、私から資料のファイルを受け取った
「そういえば、Aちゃんにレッスンをしてもらったこと、僕達は一度もなかったね」
「…え？あ、そうですね」
もう話は終わるのかと思っていたけど、どうやらそうでもないらしく。
生徒会長は、頬杖をつきながら私ににこりとほほ笑みかけた
「＿＿＿そうだ！最後に、fineと紅月のレッスンをお願いしようかな、」
ふふふ、と上品に笑って。
彼は、右手を差し出した
握手…ということなのだろうか。
「い、いいんですか…？」
「うん、むしろ、僕からお願いするよ」
隣の副会長をちらりと一瞥すると、副会長も、戸惑いが消えてスッキリしたというような、そんな表情をしていた
「じゃあ……よろしくお願いします、」
「会長！」
私が左手で、彼の握手に応えようとした時。
甲高い声が、生徒会室に響いた。
それは、桃李くんのもので。
「坊っちゃま……？」
弓弦くんが、驚いたように目を見開く。
「僕は、そんな奴に、プロデュースなんて…してもらいたくないよ！」
「桃李…」
生徒会長は、力なく笑って。
「それでもいいのかい？
＿＿＿これが、本当の本当に、最後になるかもしれないのに。」
桃李くんに、そう問いかけた。
その声だけが、しんと静まり返った生徒会室に協和音のように響いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1304人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天翔幻 - 涙腺が崩壊しました！何度見ても心にくるものがあってついつい泣いてしまいます( ω-、) (2019年11月10日 22時) (
レス) id: ad84c26723 (このIDを非表示/違反報告)
ほわ - 涙が止まりません！これって続編出ますか？作者さんのペースで頑張ってくださいね (2018年10月18日 19時) (レス) id: 90c7056bde (このIDを非表示/違反報告)
サク - ヤバイーめっちゃ泣きました(;ー; ) 元々涙もろいんだけど、こんなに泣くとは、、、更新頑張って下さい！！！ (2018年10月13日 7時) (レス) id: ee2de468cc (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - え、日和パイセン可愛かよ(真顔) (2018年10月9日 7時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - タイトル的に泣くとは思ったけど、ここまで泣くとは思わなかったw作者大丈夫ですか？？ゆっくりでもいいんで！また更新された時来るんで！作品消すとかより断然いいですし。気長に待ってます…♪ (2018年9月13日 23時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：恋@AI | 作成日時：2018年1月9日 1時
