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「つか、Aっちってどこの大学行ってたんだっけ〜」
「...ん?俺?」
「そそ!俺Aっちのこと全然知らなくてさぁ〜!だから、今日ハッキリと教えて貰っちゃうよん!」
一成がウインクしながら俺に言った。テンション高いのは相変わらずか。
「俺は葉星大学...臣と綴と一緒の大学」
「へ〜!って、マジで!?」
「おう」
「俺、Aっちのこともうちょっと馬鹿かと思ってた〜!ごめんちょ!」
「おいテメェぶっ殺すぞ」
一成って笑顔で人のこと見下すのな。このガリ勉ヤロー。
「って言っても、そろそろ行かねーとマジでやばいんじゃねえの、Aさん」
「そうだな...」
俺の隣に座ってゲームしていた万里がそうぼやく。
「っしゃ激レアゲット!」
「は?まじか万里。死ね。」
「至さんは安定で口悪いっすね〜」
ハハッwwwとバカにした笑いを至さんに向ける。こいつら安定だな。
「んじゃ、明日にでもちょっくら顔出してくるわ」
「なら、俺と綴と行くか、A」
「あ、臣さん」
「おやつのアップルパイ焼けたから、テーブルの上片付けてくれな」
「りょー」
臣さんの声を合図に、俺と万里、一成はテーブルを片付け始めたが、至さんはまだクエストが終わっていないのか、スマホに目を血走らせていた。怖っ。
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「ん、うまっ」
「ほんとか、良かった」
ニコッと笑う臣さん。これが元ヤンだったなんて考えられねーくらい神々しい笑みだ。
「ほんとっすね〜...仕事終わりの体を癒してくれる...」
「はは、綴。そんな大げさなものじゃないぞ」
「いやいやほんとっすよ...」
綴っていっつもうまそうに食うよな。
「...あ、そういや綴。俺、明日大学行くから」
「...んー、分かっt 、、って、はぁ!?」
「えっ、何。」
綴は飲みかけのアールグレイを、喉に詰まらせたようでゲホゲホと咳き込んでいた。
「だ、大丈夫かよ?」
「...だ、だってお前が、お前が...大学っ?
大丈夫なのか...?」
「ん〜...まぁ適当にやっとくからいーんじゃね」
「いや、俺が心配してるのはそこじゃなく!」
「あー、大丈夫大丈夫。」
綴の長い話を聞くのが面倒になった俺は、適当にあしらってもうひとつアップルパイを手に取る。これ、ホントうまい。店に出せる味だわ、これは。
「んー、ほんとうまい」
立花A、明日大学に行くことになった。
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作者名:恋@AI | 作成日時:2018年1月2日 15時