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「至さん今日早かったんすね...って、」
「やっほ......邪魔してる。」
「うわ、ニートいるし」
「ニート言うなし。」
寮に帰ってきてから直で至さんの部屋に来たであろう万里は、高校生らしいブレザーを投げ捨ててベッドにドサッと倒れた。
うわ、ベッドミシミシって揺れたわ。半端ねえなこいつの体重(失礼)
「つか、あんた大学行かなくていーのかよ。いっつも家いるよな。さすがの俺でもそこまで行かねーことねえわ(笑)」
「ヨケーなお世話だって。俺は俺なりに単位取れるようにはしてるから心配無用」
ゲームのコントローラーを連打しながら返事をする。
さっきから至さんの圧勝だからつまんないんだよな。この人強すぎ。いい社会人のくせしてチートキャラかよ。もしくはラスボスか??
「ああっ...クソ、また負けた!」
強すぎだろ...ほんと、10回やって10回至さんの圧勝とかないわ。ガチャもこれくらいの確率だと嬉しいんだがな。()
「ハハッ、ボロ負けじゃん(笑)」
「うるせーな、万里!!お前もいっつも負けてるくせによ!」
「んだとこのニート!」
「んだよクソアマ!」
「いや俺の部屋で喧嘩やめて」
俺と万里はいがみ合っていたが、至さんの声で止まる。
そしてため息をついてまた座り直したあと、ふと万里が投げ捨てたブレザーが目に止まった。
(...これ、花学のブレザーだよな)
(ヤンキーのくせして頭いいとか...ねえだろ)
顔をしかめ、花学のブレザーに触れる。
......なんか万里がこれ着てることに対してすっげームカつくわ。
「どうしたんだよ、俺のブレザーなんか見つめて」
「いや別に。着てみてーとか思ってねえし」
「いやそこまで言ってねーよ!?」
万里は勢いよくツッコむ。やっぱお前漫才行った方がいいぞ。
「着てみてーし!!」
「結局どっちなんだよ!!」
ツッコみまくる万里は無視して、勝手に袖を通してみた。()
......なんか、ぶかぶか?
え、こんなにサイズ違うもんなの。俺、結構サイズ自信あったんだけど。
「めっちゃぶかぶかじゃねーか、それ」
「しかも...」
至さんが、俺の袖元に目をやった。
「......萌え袖」
二人してカメラを構える。
カシャ、カシャ、カシャ、カシャ
カシャ、カシャカシャ、カシャ
「いやおい待てテメェら」
何撮ってんだよ。今の本人に許可取ってねえだろ。
おいポリスメン。ここに変態が。
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作者名:恋@AI | 作成日時:2018年1月2日 15時