＊ ページ22
.
そこからは、妹二人は泣いてました。
私、最後までゴミのようなプライドが邪魔してたから、泣けなかったんですよね。最後の最後、母が、
「ごめんね、ほんとにごめん」
って、謝っていた時に、初めて涙が出てきて。
父親に虐待や暴力を受けたことなんてないし、お金がなくても幸せに暮らしている、私たちは幸せな家庭だ……って、私はずっとそう信じてました。
だけど、変えられない現実を目の当たりにして、小さい頃から父は私に厳しくて、だからこそ周りの大人や先生から、「あの子は本当にいい子」と言われるように育てられて、こんなにいい教育を受けさせてくれる父親と母親が、大好きでした。
だからこそ、同じくらい、悲しくて、辛くて。
世の中には、私より酷くて辛い状況の人が沢山いる。
私の悲しみとか、苦しみとか、辛さとか、そんなの、私より酷い環境の人からしたら、塵やゴミのようなもの。ちゃんと理解してたはずでした。
だけど、笑いあってる家族が、仲の良かった家族が、自分は元ヤンで、親に反抗してやんちゃばかりかましてて迷惑ばっかしかけてたのに、私には「親に迷惑かけるな」とか「自分のことは自分でしろ」とか、そんな厳しい父が嫌いで嫌いで、大好きでした。矛盾してて笑えてきますけどね。
大好きなんです。父も、母も。
そして私の下に三人もいる、妹たちも。
すべてすべて、私の大切な宝物。絶対に壊したくない、大好きで安心できる空間。存在。
私がバイトで散々怒られて帰ってきたときも、学校で嫌なテストが悪い点で帰ってきたときも、友達と衝突があって帰ってきたときも、病んでるときも、どんなとかきでも、家に帰れば当たり前のように家族がいて、私が生きている意味は、家族や友達だと思ってました。今でも思っています。
だからこそ、怖いし、震えるし。
お父さんと話がしたくても、部屋からでてこないし。
お母さんは、出て行っちゃったし。
こんなに辛くて寂しくて、一人で安心して眠れない夜、はじめて。妹たちはまだ小さいから、不安とかストレスとか、心配かけたくないし。
次女はもう高一なので、今日、少しだけ二人で話をしたんです。私が、もし離婚したりするなら、どっちと暮らしていく？って聞いたんですよね。そうしたら妹、
「自分は最初からどっちとも暮らすつもりはなかった、おばあちゃんの家に行こうと思ってた」
って、そう言いました。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1466人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ありさ(プロフ) - おかえりなさい!! (1月31日 22時) (
レス) @page27 id: 00612c0ec4 (このIDを非表示/違反報告)
鈴奈(プロフ) - コメント失礼します。私も同じような経験したことがあります。そのせいか、私は親のことがどうも好きになれず…、笑たぴさんとても優しい方ですね。正直私は自分の気持ちに嘘をつき、事を終わらせました。だからどうか貴方は自分の生きたいように生きてください。 (2022年7月29日 21時) (レス) @page26 id: 973e1807e6 (このIDを非表示/違反報告)
べベンべエエェェ - 世界に繋がっていますから、モラルは保証されません。そういう人に話してみてはどうでしょうか。お母様が死にたい。といったなら死にたいのは今だけかもしれない。まだ未来があるんだから辛いときは一緒にいるから約束するよ。となどでも声をかけてみてはどうでしょうか (2022年6月5日 23時) (レス) @page25 id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
べベンべエエェェ - 信じられてこの人なら話してもいいかもしれない。この人だけは絶対に信じられるという人を探してみてはどうでしょうか。クラスメイトや、ツイッター、相談部屋、Tiktokなどでもいいと思います。でも顔を知らない。一度も会ったことがないとなると (2022年6月5日 23時) (レス) @page25 id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
べベンべエエェェ - 今まで一緒だったのに急になくなるのは悔しいとか、辛いとかよりもどうしてこうなったんだろうですよね。自分が生まれてこなければとか、自分ばかり責めたりしちゃいますけど、作者さんは悪くないと思うし、それでも自分が悪いと思うなら誰か一人だけでも、 (2022年6月5日 23時) (レス) @page25 id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：たぴ | 作成日時：2018年10月18日 20時
