pout ページ5
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『二人とも手伝ってくれてありがとう。
また今度なにか奢るから、またね!バイバイ!』
「もう課題溜めんなよ」
「また今度一緒に写真撮ろ〜ね!バイバイ〜!」
手伝ってくれたレオナくんとケイトくんに手を振って、急いで教室を出て寮に向かう。
きっともうマレウス様のことだから、寮に帰ってるだろう。拗ねてないといいけどなんて考えて。
僕は自分の出せる全力疾走でディアソムニア寮へと急いだ。
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『はぁっ、はぁ……た、ただいま……』
「A、おかえり。マレウス様がお前の部屋で待っていると言ってたぞ」
『ですよねえ……』
「貴様!!若様を待たせるとは何事だ!!しかも、リリア様に聞けばお前、補習まで受けていたそうだな!!ディアソムニア寮の生徒として───!!」
『ごめん、今はセベクの説教よりマレウス様が先!』
説教なら後でどれだけでも聞くから!と言って僕は談話室を抜ける。セベクの「待て、貴様!!」という声と、シルバーの「セベク、うるさい……」という声を背中に受けながら、僕は自分の部屋に向かった。
『マレウス様!』
「……おかえり、A。ずっと校舎の方を探していたんだが、見つからなかったから部屋で待っていた」
『す、すいません……』
部屋に入ると、あからさまに機嫌を悪くしたマレウス様がソファに座っていた。これ全部僕のせい。拗ねてる。絶対的にこれは拗ねてる。
『マレウス様……怒ってますか?』
「別に怒ってなどいないが?」
嘘が下手すぎますよマレウス様。
だんだん僕の顔見る度に眉間にしわ寄ってるって。
「僕との約束を放り出して、キングスカラーと楽しそうに話していたことには、少々怒りは感じているが」
『それ相当怒ってますよね……なんで知ってるんですか……しかも楽しそうには話してませんし……』
「リリアから聞いたんだ。今日はキングスカラーとAは補習を受けていると。試しに君たちの教室の前を通ってみたら、君たちはすごく楽しそうに話していたよ。君は僕が通ったことにすら気づいていなかったようだが?」
だから楽しそうには話してないんだってば。
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作者名:たぴ | 作成日時:2020年5月16日 16時