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「おれ、俺ゾムって言うねん。よろしゅうな」
「……A」
手を差し出すゾム。握手を求められていると気付いたのは数秒後で、握手を返すのにさらに数十秒掛かった。
「じゃあまず食堂案内するな！次寝るとこやろ、書庫行ってエミさんにも会わせたいからはよ行こ！」
そう言って扉を開けて私を手招きする。私はグルッペンの部屋を出て、ゾムの後をついて行く。
ゾムはローブで隠れている私の顔をチラチラと見てくる。何か変だろうかと首を傾げて見せれば、少し嬉しそうに笑った。
「俺とお揃いやな！俺も目ぇ隠れてんねん」
そう言って前髪をちらっと上げて目を軽く見せてくれ、へらりと笑う。
顔が……良い…………。グルッペンが耽美な美形だとすれば、ゾムは端麗な美形である。純新無垢な感じだ。
「んふふ、ここが食堂やで！入ったら飯出してくれんねん。ご飯の時間は決まっとるけど、腹減ったらとりあえず来れば誰かが何か作ってくれるで！」
「Aの部屋はここやな。女性専用の風呂場あるから風呂入りたいときはそっち使ってな」
「ここが書庫やで！中には大抵エミさんがおると思うわ。エミさーん！遊びに来たでー！」
部屋を案内してくれていたが説明を聞いていなかった。もう1回案内してくれないだろうか。そんなことを思っていたが、書庫に入って行ってしまったのでその後を追いかける。
エミサンという人が中にいるらしくて、大量の本棚の間を覗き込みながらゾムは中に歩いていく。
「あ、エミさんおった！エミさん、A連れてきたで！」
「A…さん？ですか？」
ゾムの一方的な説明に首を傾げているエミサン。書庫に差し込む太陽の光が、きら、と瞳の色を反射させた。白濁としたその色は神秘的で、端正な顔に思わず喉から呻き声が出た。
「嗚呼、グルッペンが言っていた魔女さんですね、初めまして、私はエーミールです」
そう言って手を差し出すエーミール。同じように手を差し出し、今度はスムーズに握手をする。すると空いている方の手をゾムが握り、エーミールの手も同じように握った。おかげで私たちは三人で輪のようになっている。
「えと……、ゾムさん？」
「俺ももう一回二人と握手したなってん！ええやろ？」
かわいいか？？？？？もしかして彼は純新無垢という言葉をそのまま具現化したのでは……？と思えるほど心にダメージが来た。手を使えないから、口を抑えることも出来ない。私、ここで生きていける自信が無い。死んじゃうかもしれない。
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なのな(プロフ) - 完結おめでとうございます！設定がすごく凝ってて面白かったです！今作も素敵な作品をありがとうございました！ (2021年1月15日 19時) (
レス) id: cb0e93c590 (このIDを非表示/違反報告)
RURU - 更新早いし話も面白いし…崇めますね(？)(訳:ランドルせ様＝the・神) (2021年1月15日 18時) (レス) id: 4226f6833e (このIDを非表示/違反報告)
へけ太郎 - 完結おめでとうございます！楽しく読ませていただきました！次回作も楽しみにしております！これからもささやかながら応援させていただきますので、お体にお気をつけてお過ごしください！ (2021年1月15日 17時) (レス) id: 246fbb21fa (このIDを非表示/違反報告)
ランドルせ(プロフ) - なコさん» 三日に一本新作を出してる気がします笑。更新頑張ります！ありがとうございます！ (2021年1月13日 0時) (レス) id: 1e4b41ea08 (このIDを非表示/違反報告)
ランドルせ(プロフ) - 花金鳳花さん» コメントと応援ありがとうございます！頑張ります！ (2021年1月13日 0時) (レス) id: 1e4b41ea08 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ランドルせ
| 作成日時：2021年1月11日 23時
