【wrwrd】画面の向こうに恋はしない

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「どうも、Aです。今日はFPSゲームでエイムが良くなる(かもしれない)講座です。こちら、ゲストの方々です」
「どうも〜、主役は我々だからチーノです！」
「ちちちちちっす！ゾムです！」

みんな大好きフォートな夜だとか、荒野を動くみたいなゲームは、操作感が違うだけで大体は同じ動きをする。その画面が広くなればなるほど、焦点は合わせやすくなるし、その焦点をどこに合わせれば良いのか、どの音を聞けばどこにいるのか。
大体は感覚になってしまうから、講座なんて開いても理解されないとは思うが、そういうネタである。そんなもんだろう。

「いや〜、でもほんとコラボ受けてくれると思ってませんでした！」
「いえいえ、私も初コラボを我々さんと出来るなんて思ってませんでした。あ、横から来てますよ」
「えっちょ、あああ！！！！待って待って待って！！！！」
「あ、チーノ死んだわ。よし、邪魔者は消えましたよAさん！」
「チャンプ目指しますか〜」
「な゛ん゛て゛お゛い゛て゛く゛の゛」
「はいはい強く生きてチーノ」
「んふふふふ」

そんな会話をしながらゲームをする。誰かと喋りながらゲームをするなんて久しぶりで、今までずっとパソコンに向かって一人で喋っていたのがなんだか少し馬鹿らしくなる。……グループって偉大だなぁ。

「いや〜、本日は本当にありがとうございました！」
「こちらこそありがとうございました！我々さんコラボありがとうございます！」
「お前に言ってへんわチーノ！お前我々だやめるんか！」
「我々だやめてAさんとタッグ組むわ」
「あ。遠慮します」
「なんでぇ！？」

くすくす、と笑いながら画面録画終了する。後で編集してまた笑っちゃいそうだ。

「いやぁ、ほんとありがとうございます。楽しかったです」
「いえいえ全然。……あの、お願いがあるんですけど」
「はい、なんですか？」
「他のメンバーが話してみたいらしくて…、今度我々グループ招待するんでお話してくれませんか？」
「ああ、全然良いですよ。また予定送りますね」

そうして私は、次の通話の約束をして今日を終えたのだった。

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