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−鬱先生視点−
「どうだった、鬱」
家に帰れば、それを待ちかねてたようにグルちゃんが出迎えてくれる。まったく、またトンちに言わずに抜け出そうとしたな？その気持ちはわかるから何も言わんけど。
「黒すぎて逆に真っ白に見えるくらい真っ黒やったわぁ。人権売ってるとか言っとるけど、あんなん人身売買と何も変わらんで。目の前で破産して自分の命差し出してる奴もおったわ」
「助けなかったのか？」
「なんで助けなあかんの？グルちゃんとかならまだしも、見知らぬオッサンやぞ」
「そうか」
くすくすと笑って満足したのか奥へと歩いていくグルちゃんの背を追う。道中、開いている扉があったから中を確認する。
「あれ、ゾム。何遊んでんの？」
「大先生！帰ってきてんな、おかえり」
「ただいまぁ。ソレ、何？」
部屋の中でぱあぁ、と嬉しそうな顔をしたゾムが、俺が指さした物を見下ろす。真っ赤に蠢いているそれは本当に何かわからなくて、思わず首を傾げた。
「……んー、なんやったっけ。人間の内臓が気になって開けたとこまでは覚えてんねんけど」
「そっかぁ……」
とりあえず人間ってことはわかった。グルちゃんが何も言わずに通り過ぎたってことは多分敵対勢力とか敵とかやろ、知らんけど。
「まぁそろそろ風呂入りや、その状態で彷徨いとったらまた神に体中まさぐられんで」
「うげ、それはいややわ……。風呂ってくる！」
そう言って元気に飛び出して行ったゾムの後ろ姿を見送りながら、チーノに連絡を入れる。後で掃除しといてくれるやろ。
「鬱、まだか」
「んぇ？何、グルちゃん待っとってくれたん？」
「トントンにも報告するんだろう、ついでだ。一緒に怒られてくれ」
「アンタそれが目的やったん！？」
当たり前だろう、とにべもなく言われて肩を落とす。優しいと思ったらこれだ。まったく、潜入任務を頑張った家族に労いの言葉の一つくらいあってもええんちゃうん？
「そう言えば今日は珍しく早く帰ってきたんだな。いつもは潜入捜査だとか言って朝帰りなのに」
「うん？……ああ、めっちゃかわいいうさちゃん見つけてん」
「ウサギか。お前そういうの好きやもんな」
「ウサギかわいいからな。……まぁ、ウサギとは別やけど」
グルちゃんは全てお見通しだと言うような顔でこちらを見ていて、少し居心地が悪かった。あーもう、これだからうちのボスは！
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闇ちょこ(プロフ) - 白尾…会社……？？えっっ…アッ、やめときますね！！((マフィアのイメージとか世界観が他の作品と全然違うので、新鮮でとても面白かったです！！完結おめでとうございます…！！ (2021年4月7日 13時) (
レス) id: c4d9600a7c (このIDを非表示/違反報告)
なのな(プロフ) - 完結本当におめでとうございます！お疲れ様です！ランドルせさんの長編小説ということで新鮮な気持ちでドキドキしながら読ませて頂きました。相変わらずとても内容が濃くて面白かったです……！！これからも期待しています！！頑張ってください！！！ (2021年4月6日 20時) (レス) id: cb0e93c590 (このIDを非表示/違反報告)
ランドルせ(プロフ) - ぴざるさん» 好みって言われるの嬉しいです！更新頑張ります！ (2021年3月28日 8時) (レス) id: 29ab01aaa3 (このIDを非表示/違反報告)
ぴざる(プロフ) - うぐっ…神作品に出合ってしまった…めっちゃ好みです更新頑張ってください (2021年3月28日 7時) (レス) id: 8f43ba0ff3 (このIDを非表示/違反報告)
ランドルせ(プロフ) - 雨音さん» コメントありがとうございます！ゆっくりめの更新になっていますが完結まで走りきろうと思いますのでよろしくお願いします！ (2021年3月20日 13時) (レス) id: 29ab01aaa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ランドルせ
| 作成日時：2021年3月4日 19時
