【wrwrd】我々アングラ世界に生きし者

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鬱くんがチーノと呼ばれた男に連れて行かれてしばらくしてから部屋を出る。扉の横には警備員が倒れていて、使えないなぁなんてつぶやく。

私は上着を脱いで階段を降りる。降りたそこにはオーナーが居て、上着を渡した。

「何故逃がした」
「銃を突き付けられちゃったら無理だよぉ。オーナーも私がいなくなったら悲しいでしょ？」
「……収穫は」

渾身のボケを交わされて思わず膨れる。まったく笑いを理解しないオーナーだ。

「ルーレットで勝って、私に二百万チップくれたお客さん。あの人がボスだと思う。メンバーは鬱くん、チーノさん、コネシマさん、ショッピさん、ゾムさん。あと赤いマフラーの人はわかってるけど、他は知らない」
「……マフィアだな。ボスはグルッペン・フューラー」
「知ってるの？」
「顔は見た事なかったが名前は知っている。そうか、ついにマフィアに目を付けられたか……。店を変えなくては。また忙しくなるぞ」

そう言って身を翻していった。私は喉をさする。あつい。さすがにテキーラショットを何杯も飲むのはキツかった。

「オーナー、ホールに出ても良い？」
「……ああ。イカサマは無しだ。しばらく大人しくしておけ」

許可を貰った私はホールに向かって歩く。イカサマは無しって言われたから今日は大人しくしておこう。

また稼げなくなってしまうなぁ。糸を買ったのは失敗だったかもしれない。

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