２２ ページ23
※お酒の一気飲みは危険です!しないように
−−−−−
「シッマ……えっと、コネシマに教えてもらったんやけど」
「ダウト。……残念、コネシマさんにも、その後輩くんにも名前は教えてないの。二人の共通の知り合い……ゾムさんだったっけ？も知ってたの。なんで？」
鬱くんはしばらく黙りこくった後、ソファに深く座り込んだ。
「……グルちゃんに教えてもらったんよ」
「グルちゃん？」
「えっと……、金髪の黒い眼鏡の男」
「あ〜……、あの人かぁ。知り合いだったんだねぇ。愛称で呼ぶくらいには仲が良いんだ」
私はテキーラボトルをぐい、と鬱くんの方に向けた。
「質問どーぞ？」
「……おけ。裏カジノが違法だってことは知っとる？」
鬱くんは質問をすればテキーラを一気に煽る。それを見て私は頷いた。別に隠さなきゃいけないものでもないし。
「もちろん。私たちが本当はやっちゃいけないことをしてるのも、何もかも。なんとな〜く知ってるってだけだから、詳しく説明しろって言われたらわかんないけどね」
鬱くんが頷いた。顔が少し赤い。どうやらお酒には弱いようだった。質問が終わるのが先か、鬱くんが酔い潰れるのが先か。どっちだろうね。
テキーラを一杯煽る。
「質問！なんでうちのカジノを探るの？」
鬱くんは一瞬視界を揺らして、テキーラをグラスに注いだ。どうやら言いたくないらしい。そして一気飲みする、その直前に腕が止まった。
「……飲まないの？」
「今めっっっちゃ吐きそう」
「答えたくないなら飲んで。飲みたくないなら答えて？簡単でしょ？」
「めっちゃ酒強いやん、俺不利すぎやろ……」
そう呟いて、ため息をつきまた一杯煽る。ぐら、と体が大きく揺れたのを見て、そろそろ酔い潰れるなというのを察する。
「質問する？それとも負けを認める？」
「うぇ……、し、質問……」
そう言ってテキーラボトルに手を掛けた瞬間だった。
こんこん。と扉がノックされる。
「…………誰？」
「開けても良いですか？」
聞きなれない声が、聞こえた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 779人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
闇ちょこ(プロフ) - 白尾…会社……？？えっっ…アッ、やめときますね！！((マフィアのイメージとか世界観が他の作品と全然違うので、新鮮でとても面白かったです！！完結おめでとうございます…！！ (2021年4月7日 13時) (
レス) id: c4d9600a7c (このIDを非表示/違反報告)
なのな(プロフ) - 完結本当におめでとうございます！お疲れ様です！ランドルせさんの長編小説ということで新鮮な気持ちでドキドキしながら読ませて頂きました。相変わらずとても内容が濃くて面白かったです……！！これからも期待しています！！頑張ってください！！！ (2021年4月6日 20時) (レス) id: cb0e93c590 (このIDを非表示/違反報告)
ランドルせ(プロフ) - ぴざるさん» 好みって言われるの嬉しいです！更新頑張ります！ (2021年3月28日 8時) (レス) id: 29ab01aaa3 (このIDを非表示/違反報告)
ぴざる(プロフ) - うぐっ…神作品に出合ってしまった…めっちゃ好みです更新頑張ってください (2021年3月28日 7時) (レス) id: 8f43ba0ff3 (このIDを非表示/違反報告)
ランドルせ(プロフ) - 雨音さん» コメントありがとうございます！ゆっくりめの更新になっていますが完結まで走りきろうと思いますのでよろしくお願いします！ (2021年3月20日 13時) (レス) id: 29ab01aaa3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ランドルせ
| 作成日時：2021年3月4日 19時
