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結論を言うと、私たちは助かった。騎士の人たちに向かって行進を続けていたが、何故か騎士たちは降伏し、そして魔物の残党がいたとかで兵士たちが半分以上いなくなり。
そのままどうすれば良いかわからない状態で放置され、気付いた時にはお姉ちゃんたちがコネシマ王を捕縛していた。
コネシマ王の土下座を見せられ、私たちは無事に誰一人重症を負うことなく帰された。
私はまっさきにお姉ちゃんの元へ行き、お姉ちゃんと家に帰って、久しぶりに同じ布団で眠った。
「あの時帰してごめんね。帰さなければ……」
「ううん、大丈夫だよお姉ちゃん。お姉ちゃんが助けてくれるって信じてたもん」
しかし、昨日怖い思いをしたからと言って、明日が来ないわけじゃない。枢機卿猊下は議会を開くと言っていた。コネシマ王と、教会側の人間と、王国兵の偉い人と。数人で話し合うことが決まったらしい。そこにお姉ちゃんも行くのだ。
私を一人にさせることを不安に思ったお姉ちゃんと一緒に教会の仮拠点へと行く。
「Aも大変だな」
「お姉ちゃんの方が大変だから仕方ないよ」
街はてんやわんやだ。魔物騒動の時点で壊れていた家がさらにボロボロになり、魔物が侵入したことによって家自体がダメになった家もたくさんあった。そんな人たちを教会で保護し、数人の騎士たちを連れて街の修理に駆け出していく。
何人かの騎士は化学兵器を土に埋めることで使えないようにし、聖櫃は仮拠点の一番目立つところに置かれ、奇跡の使えない私は聖櫃を守るために教会の仮拠点に閉じ込められることになった。
いざとなれば、聖櫃を持って逃げなさいとは、枢機卿猊下の指示だ。
昨日、お姉ちゃんたちは聖櫃の福音を聞いたらしい。私は一度も聞いたことがないし、奇跡も使えない。
それでも、祈ることはできる。
「……神様、お姉ちゃんが無事でありますように。国民が、幸せでありますように。きっといつか、全員であなたの元へ行けることを心待ちにしているお姉ちゃんを、裏切ることはないって信じてますから」
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作者名：ランドルせ
| 作成日時：2021年2月4日 1時
