51話、不穏 ページ7
無事に実弥と仲直りし、Aはルンルンで帰宅。
「ふふっ、不死川さんと冨岡さんが手合わせしてる時に炭治郎君が乱入ね…しかも彼がおはぎ好きなのを匂いで言い当てたなんて、なかなかやる子ね笑」
2人が通常運転に戻った後は、実弥が珍しく愚痴を零したので、Aは面白半分でそれを聞いていた。
下駄を脱いで居間に上がると、ゴロンと寝っ転がって、ボーッと天井を見詰める。
と、禰豆子の事を思い出した。以前蝶屋敷に入院していた際、仲良くなっていたのだ。
━━━
「炭治郎君、その子が禰豆子ちゃん?」
炭「はい、妹の禰豆子です。」
炭治郎の背後からひょっこり顔を覗かせたのは、幼子の姿をした禰豆子。
「わぁ可愛い!禰豆子ちゃんおいで!」
Aはベッドに腰掛けながら笑顔で手を広げる。
禰「厶ーッ!」
これまた禰豆子も満面の笑みで彼女の胸に飛び込んだ。これにより、Aのハートは物の見事に撃ち抜かれてしまった。
「よしよし。禰豆子ちゃん、よろしくね?」
禰「厶〜厶〜♪」
Aが禰豆子の頭を撫でると、彼女は気持ち良さそうに目を細める。
炭「よかった…禰豆子もAさんのことが好きみたいですね。」
「ほんと?嬉しいわ!」
━━━
「あら、禰豆子ちゃん!今日もお見舞いに来てくれたの?」
禰「厶〜」
すると禰豆子は嬉しそうに、Aに一輪の花を手渡した。
「わぁー、綺麗!ありがとう。部屋に飾るわね。」
━━━
「あの子は、絶対守り抜いてみせる。」
静まり返った空間に、Aの声だけが響いた。
日の光を克服した禰豆子。恐らく、無惨は彼女を狙い続けているのだろう。
ふと目線を横に移し、縁側の先にある庭を眺めた。日は沈み、辺りは橙色と夜闇のグラデーションに包まれている。
バサバサバサッと鳥が慌ただしく羽ばたく音が聞こえてきた。Aの鎹鴉だ。普段より慌てふためくような鴉の様子に、彼女は異常なものを覚える。側に置いてあった刀に手を伸ばし、ベルトに差し込んだ。
"緊急招集ーッ!!緊急招集ーッ!!産屋敷邸襲撃ッ…産屋敷邸襲撃ィ!!"
「そんなっ…!お館様!!」
Aは屋敷から転がり出ると、ただただ全力で走った。その速さは、長い商店街を一瞬で駆け抜ける程。彼女も未だかつてこんなスピードを出したことは無かった。
(間に合え!間に合え!間に合え!お館様を死なせる訳にはいかない!)
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韓国海苔ごはん(プロフ) - さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き)さん» ありがとうございます!それとご指摘ありがとうございます。ほんっと困るくらい見落としが多いのでとても助かります…しかも槇寿郎さんが好きとはなんと渋い!! (2021年4月5日 10時) (レス) id: 23bf08a048 (このIDを非表示/違反報告)
さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き) - 完結おめでとうございます!とても良いお話だったと思います(*^_^*)・・・それと すいません、あとがきの所の槇寿郎さんの名前の(槇)の字が(槙)になってます・・・ (2021年4月4日 15時) (レス) id: c50ca7ded5 (このIDを非表示/違反報告)
韓国海苔ごはん(プロフ) - 浅葱さん» ありがとうございます! (2021年2月6日 9時) (レス) id: 23bf08a048 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - 続編移行おめでとうございます!これからも頑張ってください! (2021年2月5日 21時) (レス) id: 11ffe6e997 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:韓国海苔ごはん | 作成日時:2021年2月5日 21時