陰と陽【不死川実弥】 ー 弐 ー

66話、ヒノカミ舞い戻る時 ページ24

Aは虚空に向かって微笑んだ。


蜜(誰と話しているのかしら…ひぃっ！まさかお化け？！)
↑イマイチ分かってない

天｢おーおー、人が増えて助かるぜ！お前ら生きてたんだな！｣

元忍の天元、流石と言った所か。


無惨もそれに気付き、奴によって見えない者の正体が暴かれた。

｢カナヲ！善逸君！伊之助君！｣

彼らもまた無事だった。
今まで姿が見えなかった理由は、珠世の手によって鬼となった人、愈史郎の血気術が込められた紙を身に付けていたから。無惨にそれを破かれての今だ。


匠｢ちょっと余裕が増えたな！これなら赫刀に出来そうだ！｣

隙を見て、元帥や柱達は各々自身の刀を赫刀に至らしめていく。無一郎や小芭内のように握り締めたり、刀身をぶつけ合ったり、様々な方法で。


ー夜明けまで、あと1時間3分。


実｢余裕余裕！｣

こういう所が好きなの。←作者の心の声


人数が増え、愈史郎の血気術で姿を消し、赫刀に至らしめた。透き通る世界に入った者も幾らかいる。でも、相手は鬼の王。皆の限界が明瞭に見え始めた。

(いつ気絶しても可笑しくないわ。)

体の動きが鈍くなっていく。
疲れた、辛い、苦しい。


隊士｢元帥様や柱を守る肉の壁になれ！｣

このように一般隊士達が身を挺して庇ってくれている為、何とか繋げている。


凛｢氷の呼吸、陸ノ型、八寒地獄｣

凛ノ介の最強技が繰り出された。8回に渡る斬撃は、本物の地獄のように無惨を苦しめる。

このまま行けるのではないか。
誰もがそう思った、その時。


ー パ ギ ャ ！ ！


何が起こったのか…？

ただ、無惨の周りには人っ子一人いなくなっていた。
全員奴に吹き飛ばされたのだ。

皆首をもたげ、ぐったりと動かない。

唯一残されたカナヲに、奴が迫る。
動かなくちゃいけないのに、体は言う事を聞かない。

もう駄目だ。終わりだ。
絶望が全てを支配した。かと思えば…


炭｢ヒノカミ神楽、輝輝恩光｣


日のように美しい剣技が無惨の腕を焼いた。


カ｢炭治郎、炭治郎…｣

彼女は炭治郎の名前を何度も呼び、涙を流す。
彼は無限城で奴と遭遇し、毒に侵されて戦線を離脱していた。

炭｢うん、遅くなってごめん。｣



ー竈門炭治郎、復活。



━━━



｢…ん｣

先程の攻撃によって建物の壁にめり込んでいたAは、今し方目を覚ました。右目には破片でも刺さってしまったのか、殆ど機能しなくなっている。


"夜明ケマデ40分！！"



だが、本当の勝負はここからだ。

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