ハッピーハロウィン！ ページ18
遅刻ですが、ハッピーハロウィン！！付き合った後のお話ですが、時系列は無視してもろて……。
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10月31日といえば、ハロウィン！秋の収穫を祝い、悪霊を追い払う宗教的な行事だったのに、仮装をしてお菓子を食べて、なんて今じゃお祭り騒ぎをするばかり。
かく言う僕も、イベントに乗っかって普段は作らないスイーツを作っちゃったりしているわけで。
1人用の小さなパンプキンタルトを2人分、丁寧に箱に詰めて、登校の準備をする。ハロウィンっていっても平日だから、学校は普通にあるんだよねぇ。休日だったらよかったのに。
なんて独り言を言っていても仕方ないから、時計を確認して黒い霧を呼び出した。恭弥は迎えに来れないって言ってたし、今日はこっちで登校したい気分だから。
それに、大事なタルトもあることだし。なるべく登校時間は短縮して揺らさないようにね。
そういえば、恭弥ってイベント事があると、迎えにきてくれないよね？もしかして、風紀委員の仕事をしてるから？持ち物検査とかしてたもんね。
それなら、僕もやらなきゃいけないと思うんだけど。良いのかなぁ？
悶々と考えつつ霧の道を歩いて応接室に辿り着いた後、小さな冷蔵庫の中に箱を入れる。コーヒーの準備をしつつ、机の上に置かれている書類を覗き込むと、書きかけのまま放置されていた。普段ならキリのいいところまで終わらせてから行くのに。
手っ取り早くインスタントのコーヒーを淹れて、椅子に座って目の前の書類を眺める。僕でもできるものだったから、そのままボールペンを手に記入していく。
処理が終わったらまた次の書類。月末月初は比較的書類仕事が多い。
手早く済ませてしまおうと黙々と机に向き合う。
それから30分ほど経った頃、ドアの開く音で顔を上げると、恭弥が応接室に入ってきた。少し疲れたような顔つきをしていて、生徒がハロウィンだからって不要なものを持ち込もうとしたんだろうなって察する。
だけど、僕もタルトを持ってきたんだから同じようなものだって気付いて、なんとなく気まずくなった。
「えと、おつかれ……？」
「うん」
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作者名：怜
| 作成日時：2023年9月2日 16時
