本気の戯れ来る！ ページ7
彼らが話していたアジトの位置だけを記憶して、ヒバリさんを連れて並盛へ戻る。
リボーンからは翌日アジトに乗り込む連絡を受け取ったけど、どうしようか。僕も行かなきゃいけないのかな？
面倒くさいなぁとソファーに寝転がる。ブレスレットを触っていたヒバリさんはこちらに目を向けて首を傾げた。
「どうしたの」
「リボーンたち、明日乗り込むみたいですよ」
「へえ。それで？」
「行くべきかなぁって考えてたんですけど、面倒で」
腕に顔を埋めながら、うだうだと愚痴をこぼす。鼻を鳴らしたヒバリさんは行かなければいいって言って、興味がなさそうだった。それもそうなんだけどねぇ。
僕は結局何なんだろう。別に彼らの味方をしたいわけじゃない。エンティティさまがあのとき、リング戦のときに勝った方の味方をしろって言ったから、僕は彼らについただけ。
確かに、沢田綱吉はユウくんに似ていて、助けてあげたいってほんの少しは思うけど。でも、エンティティさまの目的が達成された今、力になる必要はない。
僕は何？何のために彼らの味方をするの？僕は何がしたいんだろう？分からない。
「ヒバリさん、」
「なに」
「遊びませんか」
顔を上げてヒバリさんを見れば、少し眉を顰めていた。あれ、楽しそうにしてくれると思っていたのに。なんで？
「構わないけど、場所を移そうか」
「なんでですか？いつもみたいに屋上とかで、」
「今までみたいに遊びじゃない」
僕を遮った声に口を噤む。立ち上がってヒバリさんを見据えた。遊びじゃないと宣言する意味を、正しく理解しているはずなのに。どうして。
「撤回してください。死にたいんですか？」
「まさか。僕は死なないよ」
「死にますよ。
10年後のヒバリさんなら、勝負の行方は分からなかっただろう。だけど、今のヒバリさんはまだ僕には遠く及ばない。どれだけリングがパワーアップしようと、10年後のヒバリさんには経験があった。
僕をずっと相手してきたんだろう、呼吸も得意な戦い方も知っていて、そうさせないように動くことに長けていた。だからこそ、僕相手に引き分けにまで持っていけたのだから。
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作者名：怜
| 作成日時：2023年2月20日 23時
