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しかし、ボンゴレリングが揃ったところで圧倒的な戦力差に変わりはない。山本が明るくやるしかないと言うが、根性論ではどうにもならないのが現実だった。
それでも入江はできると声を上げる。そのまま白く丸い装置に歩み寄り、スイッチを押した。光を増して装置の中心が開いていく。
「この時代のボンゴレのボスから君達への贈り物だ。心して受けとってくれ！！」
開いた中心からそれぞれの元に匣が届く。炎を帯びた匣にはボンゴレの紋章があった。この時代のボンゴレ10代目から託された“ボンゴレ匣”だと入江は話す。
そのとき、アジトから通信があり、ヴァリアーからの要請だとジャンニーニが繋いだ。
『てめーらぁ生きてんだろーなぁ！！！』
「スクアーロ！！」
『いいかぁ！！こうなっちまった以上ボンゴレは一蓮托生だ。てめーらがガキだろーと…………』
スクアーロの声が途切れる。向こう側ではスクアーロに瓦礫が投げつけられているところだった。スクアーロの代わりにザンザスの声が通信機越しに聞こえてくる。
『10日後にボンゴレが最強だと証明してみせろ』
それきり通信は途切れる。それと同時に入江は慌てた様子で何かを取り出した。注射器のような形状の入れ物に毒々しい黄色の液体が詰め込まれている。
粘性が高いのか、どろどろとしている液体に少しばかり眉を顰めると、入江はAに声をかけた。
「この時代の君から預かったものだ。君なら使い方が分かるだろうって」
「僕から？……これは、」
DBDのハロウィンイベント『不滅の胴枯れ病』で用いられた『臓器の潰瘍』の『腐敗の薬液』。ひと目見て理解したのだろう、Aは大事そうに注射器を抱える。使い方も既に理解していた。自身にこれを注入するのだ。
DBDでならスキン獲得のために集めた代物だが、それとは違うことも理解している。これを使った結果、どうなるかは分からないが、このタイミングで渡してくるものの効果はある程度予想がついた。
「それ、何？」
「薬液ですよ」
「それは見たら分かるよ」
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作者名：怜
| 作成日時：2022年10月24日 23時
