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はぐらかされた？というか、やっぱりリボーンは10年後の世界に留まっていたんだ。となると、沢田綱吉たちもかな？やっぱり捜索の手配は無駄足だったね。10年後の世界にいるなら、見つかるはずもないし。
「行くよ」
「あ、はい」
声をかけられて立ち上がろうとすれば、若干身体がふらつく。まだ完全に炎が抜けたわけじゃないみたいだ。これも練習すれば早く抜けるようになるのかな？というか、そうじゃないと困る。
これから先、何度も同じように倒れてたら、エンティティさまの力になれないかもしれないし。
「歩けるの？」
「歩けますよ、これくらい」
「そう。辛くなったら言いなよ」
目を瞬かせながらヒバリさんを見上げる。そこで身長差を思い知った。僕とそう変わらなかった背丈は随分と伸びたらしく、少しだけ羨ましくなる。
人は年数が経つと、随分と変わってしまうみたいだ。変わったのは身長だけじゃなくて、性格もだね。優しくなっているから、少し戸惑っちゃうよ。
さっさと歩いていくヒバリさんのあとを追いかける。長く続く廊下を抜けたあと、無骨な扉をくぐった。迷いなく歩いていくヒバリさんは時折僕を確認している。もう大丈夫なのに。心配性なのかな。
ようやく辿り着いた場所は医療室。なんでここに？誰か怪我してるの？そんな僕の疑問は置き去りにして、ヒバリさんは扉を開けた。
「話、いいかな」
「ひいっヒバリさん！！」
「会いたかったぞ、ヒバリ」
「僕もだ、赤ん坊」
ヒバリさんの後ろから顔を出すと、沢田綱吉は変な顔をする。ぶつぶつと呟いている言葉から、10年後の僕か、現代の僕か悩んでいるということが察せられた。
そんなに変化がないのかな、僕。まあ、老いることはないだろうし。見分けるのは難しいのかも。
「Aも過去から来たみたいだな」
「うん。そうみたい」
「ええー！！Aさんも！？」
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作者名：怜
| 作成日時：2022年10月11日 19時
