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のんびりとそう言い放つAに、ヒバリは顔を顰める。その様子にAは困っているかのように笑った。まるで自分に責任はないと言いたげだった。
言葉を交わさず行われるやり取りを、ガンマは無視することに決めて話し始める。
「やはり雲雀恭弥はボンゴレ側の人間だったということだな。いざ仲間が殺られるとなれば、黙って見てはいられない」
「それはちがうよ。僕が怒っているのは並盛の風紀が汚されていることだ」
ボンゴレリングではないリングに灯る紫の炎。その炎は眩いほど強く、Aは目を細め、どことなく楽しんでいるかのようだった。
対抗するようにガンマがリングに炎を灯し、匣兵器に炎を注入する。それと同時にキツネが飛び出して、ヒバリの匣兵器であるハリネズミと激突した。
「ハリネズミとはかわいいが、なんてパワーだ……これだけの匣ムーブメントをよくそんな三流リングで動かせる」
「僕は君達とは生き物としての性能が違うのさ」
ヒバリの言葉には嘘偽りがなかった。その証拠にヒバリ自身の波動に耐えきれず、リングは砕ける。もう一つリングを取り出して、炎を灯したヒバリは匣兵器に注入し、中からトンファーが取り出した。
「A、下がっていなよ」
「過保護だって」
「そんなことない」
どうだか、とぼやいたAは言われた通りに下がる。それからAは上空で攻防を繰り広げる匣兵器を見上げて、その下でも同じように繰り返される応酬を眺めていた。
その決着はあっさりとつくことになる。匣兵器の戦いはヒバリが出したハリネズミがキツネの炎を元に増殖し、膨らんだハリネズミの針がキツネを串刺しにした。
一方、人の戦いも離脱しようとしたガンマが膨らんだハリネズミの針に背中から貫かれ、血反吐を吐く。
「そーか……雲属性の匣の特徴は……増殖……だったな。だが、こんな量の有機物を増殖させられるなんて、うちの雲の奴からは聞いていない……ナンセンスな匣だぜ……」
「すばらしい力さ。ゆえに興味深い。さぁ、終わるよ」
そんなとき、茂みが揺れてツナとラル・ミルチが顔を見せる。それを一瞥したヒバリは遅すぎると言い放った。そのままガンマに肉薄したヒバリはその体にトンファーを叩き込み、気絶させる。
用を終えたハリネズミは匣へと戻り、ヒバリはガンマのリングを物色していた。それも属性が違うため、不要としていたが。
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作者名：怜
| 作成日時：2022年10月11日 19時
