10年後来る! ページ29
リング戦が終わってから数日。変わらず風紀委員の仕事をこなしていた僕の携帯が震える。誰からだろうと思いながら電話に出ると、耳がキーンとなるような大声が聞こえてきた。
「Aさん!!リボーン知りませんか!?」
「うっ、るさいなぁ。ちょっとは落ち着きなよ」
「すみません!でも、リボーンがどこにもいなくて!!」
リボーンがどこにもいない?沢田綱吉に愛想尽かして本国に帰ったとか?冗談まじりに笑ってみせると、沢田綱吉はそういうことじゃないと小さく叫ぶ。只事じゃなさそうなその雰囲気に、真面目に話を聞くべきだと思い直して経緯を説明するように言った。
まあ、沢田綱吉はすごく慌てていて要領を得なかったからまとめると、昨日10年バズーカが誤爆してリボーンにあたった。だけど、10年後のリボーンは現れず、今日になっても、元に戻ったはずのリボーンは姿を現さないらしい。
「バズーカが故障しているとかはないの?」
「あっ!それは、大人ランボに聞かないと分からなくて……」
「じゃあ、聞いてみて。一応こっちでも捜索の手配はしておくから」
それじゃあと電話を切って、『死を呼ぶ追跡者』を発動させる。人探しには便利だよねぇ、このパーク。僕の能力の一つでもあるパークはあまり使う機会もなかったし。これを機に練習するのもいいかもしれない。
それはさておき、リボーンは……。いないね。少なくともフィールドとして捉えてる並盛にはいない。黒曜にはいないと思うから、やっぱり10年後の世界かな。さすがに何の書き置きもなしにイタリアへ行かないと思うし。
首を傾げながら書類を作成していく。並盛にはいないって分かってるけど、捜索するって言っちゃったし。風紀委員を動かすにも指示書がいるからね。作ったらヒバリさんに承認をもらって。一応事情も説明しておかないと。
ああ、そうだ。他に10年バズーカが誤爆していないか、確認しておこうか。ちょうどいいから、パークの併用も試したいな。
『死を呼ぶ追跡者』の他にサバイバーのパークである『手札公開』をセットする。『手札公開』はオーラ可視能力の有効距離を伸ばすパークだ。DBDの中でなら最大16メートルしか伸びないけど、ここでなら黒曜までは伸びるはず。探知する人は沢田綱吉と、獄寺隼人、山本武、笹川了平にしておこうか。
一度目を閉じて、それから開く。赤いオーラを4人分確認したあと、1人消えた。嘘でしょ、と頭を抱えたくなるのを堪えて再度パークを発動させようとする。
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作者名:怜 | 作成日時:2022年10月11日 19時