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モニター前で観戦しているシャマルたちはザンザスが嵐と雷のポールを崩したことに驚愕していた。それによって自由になったザンザス側の守護者が他の守護者を助け、沢田綱吉側の守護者を蹂躙することを恐れる。
その予想は寸分違わず当たり、ベルフェゴールはフィールドを離れた。
「ツナの奴、何あせってんだ？」
「リボーンさん」
「たしかにXANXUSも型破りな男だが、お前の守護者もただもんじゃねーはずだぞ」
その言葉に答えるかのように、校舎から降りたベルフェゴールが襲われた。トンファーを直前で躱したベルフェゴールの手からリングが弾かれる。
『おまえは……』
『ふぅん、よくかわしたね。君……天才なんだって？』
一同に動揺が走る。特にチェルベッロに至ってはそれが顕著で、雲のフィールドを映しているモニターを見ると、信じられないと口を震わせた。
「ヒバリの奴、自分で倒して解毒したな」
「あ……ありえない……デスヒーターは野生の象ですら歩行不能となる猛毒……」
「束縛を嫌う奴の意地の力だ。だからこそあいつは」
何者にも捕らわれることなく、独自の立場からファミリーを守る孤高の浮雲。その使命を体現するような働きに、リボーンは微かに口角を上げる。
それならば、とAが捕らわれているはずのステージを見れば、開いた口が塞がらなかった。何故なら扉は吹き飛び、解錠したような形跡は見られなかったからだ。
「まさか、A様は……」
「あれを見る限り、自力で出やがったな。無茶しやがって」
「A様には毒だけでなく、特殊装置による妨害があったはず！」
「毒が効かねーのは嘘じゃねぇ。それに、あいつもけっこー意地っ張りだからな」
モニターの中からAの姿を探せば、高速で移動していく人影が映っては消える。何とも頼もしいものだと笑って、リボーンは屋上を映すモニターに目をやった。
「本物の守護者達は使命だけでなく、関係性も天候に酷似してるんだぞ」
レヴィにダイナマイトが直撃し、煙の中から獄寺隼人が現れる。嵐のリングをヒバリが獄寺に向けて弾いたのだと気付けば、リボーンの言葉も頷けるというもの。
ツナは守護者たちにそれぞれ任せるという覚悟を決めてザンザスに向き直った。
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作者名：怜
| 作成日時：2022年10月11日 19時
