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一方、屋上では獄寺とレヴィが対峙している。邪魔をするなら消すと言うレヴィに、獄寺は挑発するようにこう言った。
「ハッ、雷雲もでてねーのにどーやって消すんだ?あの電気傘の技さえ来なけりゃ、てめーなんざ怖かねーぜ」
「ぬ……?ふふ……そうか……バカめ、ぬかったな」
レヴィが笑い、電気傘がその背中から飛び出す。
「雨天時にしか出せないような技でヴァリアーの幹部にまでなれると思うか!!レヴィ・ボルタは全天候技だ!!!」
飛び出した傘が次々と開く。獄寺はダイナマイトに火をつけて呟いた。
「待ってたぜ……てめーの電気傘が全部開くこの時を!!」
新技であるロケットボムが傘に命中し、全てを爆発させる。使い物にならなくなった電気傘を見上げているレヴィに追い打ちをかけるかのようにロケットボムが命中した。崩れ落ちたレヴィからリングを取り上げて、獄寺はランボを抱きあげる。
リストバンドにリングを嵌め込み、酸素マスクを充てがった。その頭上で死ぬ気の炎が舞う。それを見上げた獄寺はランボを抱えて立ち上がった。
「10代目の手を守護者のことでわずらわせられっかよ!!こいつはオレの仕事だ!!」
***
時は少し遡り、別の戦場ではヒバリとベルフェゴールが対峙していた。
「オレもおまえ知ってるよ。エース君だろ?」
「ちがう。一文字もあってないよ」
「……しし、変な奴……でも何だか一気に、楽しくなってきちゃった」
ベルフェゴールの手からナイフが宙を舞う。トンファーを構えたヒバリは獰猛な笑みを浮かべて、ハンデをあげようかと挑発した。それに対し、ベルフェゴールは結構だと一蹴する。
同時に駆け出した両者。まずは小手調と言わんばかりにベルフェゴールがナイフを投げる。それをトンファーで弾いたヒバリの頬が切れた。
そう、ヒバリはベルフェゴールがナイフとワイヤーの両刀使いだとは知らない。弾いたナイフが壁に刺さり、ワイヤーを張り巡らしていることに気付かなかった。さらにナイフが投げられ、その度に体が切り裂かれていく。
ついにトンファーを手放し、地面に座り込んだヒバリをベルフェゴールが笑った。
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作者名:怜 | 作成日時:2022年10月11日 19時