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そう思いながら、奥に座っている少女を見やる。あの子がクローム、かな。わずかに幻覚で滲んでいるような気がするけど。まあ六道骸が気にかけるくらいだ。それはそれは特殊な人間なんだろう。
「骸様が言ってた……あなたが、A？」
「そう。君はクロームでしょ」
「なぁ、これ食っていいんら？」
バッグを漁りながら城島犬が言う。ため息をつきながら頷けば、早速サンドウィッチにかぶりついていた。目をキラキラさせる城島犬を見て、クロームの前に座る。集まってきた霧が晴れた頃、雰囲気が六道骸に変わっていた。
「クフフ。助かります。それで君の望みは？」
「いらないよ。君も叶えられないのは知ってるでしょ」
「ええ。しかし、それでは僕も居心地が悪い」
だから何。勝手に気にしてればいいんじゃない。つっけんどんにそう返せば、六道骸は少女の姿のまま困ったように笑う。
「では、そうですね。君が気になっているヴァリアー側のあの女性についてはいかがでしょう？」
「……知ってるの？」
「多少は知っていますよ。例えば、彼女の出身地。どうやら妙な風習が残っていたようですね」
食いついた僕を笑って、六道骸は淡々と話し始めた。
その昔、1人の青年が連れ去られたこと。その瞬間を目撃した人が、不自然な黒い霧や甲殻類を思わせる触手を見たことから、神の使いだろうと触れ回ったこと。それから村から1人、人を選んで神の使いに仕立て上げること。その焼き印があのマークだということ。
核心をついた話に、額に手を当ててため息をつく。
「村人全員が対象じゃん……」
「ただ、その村は既に消滅しているようです。村に厄災が起こり、生き残ったのは彼女だけ、というのは有名な話ですよ」
「あ、そうなの？」
村に住んでいる人全てを殺さなきゃいけないのかと思ったけど、そうでもないのか。厄災のときに素直に死んでればよかったのに。
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怜(プロフ) - リィさん» ありがとうございます！！面白いと言っていただけるとやる気が出ます！まだストックは尽きていないので、今後も早めに更新できると思います。お楽しみに〜！ (2022年10月7日 0時) (
レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - あ"ぁ"っ…！楽しみすぎてつらい…！！なんでこんな面白い話を作れるのか疑問です…更新頑張ってください！！ (2022年10月5日 13時) (レス) @page32 id: 1730b53d16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2022年10月1日 3時
