霧戦来る！ ページ39
side：A
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優しく風が吹く、DBDのロビーのような世界。あの戦いのあと、家に帰った僕は確かにベッドに入って目を瞑ったはずなのに、またここにいる。六道骸はここを精神世界と言っていたね。よく分からないけど、明晰夢のようなものなんだろう。
ぱちぱちと燃え盛る焚き火の前で、思い出すのはエンティティさまの優しい手つき。触手は褒めるように慈しむように僕に触れて、言葉こそないけれど、エンティティさまの御心は伝わってきた。よくやったと、エンティティさまの愛し子は僕だけだと。
ほうと息をつけば、向かい側に誰かが座っているのが見えた。誰か、なんてここに来るのはただ1人しかいない。
「何か用？」
「クフフ。僕に気付くのが遅かったですね」
「……今日こそ遊んでくれるわけ？」
せっかく良い気持ちだったのに台無しにされた気分だよ。ため息をつきながらそう言えば、六道骸はまた特徴的な笑い声を上げる。
「今日の戦い、見させてもらいましたよ。君もまた、普通の人間ではなさそうだ」
「人のこと言えないでしょ」
「いいえ。僕はまだ人間らしいほうだと思いましたよ」
そもそも僕は人間かどうかすら怪しいんだよ。痛覚もあるし、感情もあるけど。睡眠も食事もいらないし、傷はすぐ治るうえ、エンティティさまの加護がなくならない限り死なない。よく分からない生き物って言われたほうがしっくりくる。
「そういえば、クロームたちが喜んでいました」
「何が？」
「食事の心配もなくなったうえ、寝床も快適になったと。随分と気にかけてくれているようですね」
揶揄うような口調に目を逸らす。食事は六道骸に頼まれたからだし。そもそもあんなとこで寝て疲れが取れるわけないじゃん。お世話を頼まれてるから、半端なことはしたくないだけ。ただそれだけだよ。深い意味なんて持ち合わせてない。
そう言うつもりだったのに、六道骸が優しげな笑みを浮かべていたから、全て飲み込んでしまった。
「君のそういうところは好ましいと感じていますよ」
「……あっそぉ」
「ええ。やはり君に頼んで正解でした」
そんなこと言うためにわざわざ来たって言うの？信じられないな。疑わしいと六道骸を見ていれば、困ったように眉を寄せる。本当に用件はそれだけなの？
「クフフ。また来ます」
「来なくていい」
「素直じゃないですね」
「遊ぶ気がないなら来ないで」
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怜(プロフ) - リィさん» ありがとうございます！！面白いと言っていただけるとやる気が出ます！まだストックは尽きていないので、今後も早めに更新できると思います。お楽しみに〜！ (2022年10月7日 0時) (
レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - あ"ぁ"っ…！楽しみすぎてつらい…！！なんでこんな面白い話を作れるのか疑問です…更新頑張ってください！！ (2022年10月5日 13時) (レス) @page32 id: 1730b53d16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2022年10月1日 3時
