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「よくわかんねーが、一つだけ確かなことを教えてやんぜ。オレにたてつくと死ぬぞぉ」
「その言葉そのまま返すぜ」
「ありゃ剣だろ？オレからいくぜ」
「そう？じゃあ、僕は最後でいいよ。それまで被害状況をまとめとくから」
ま、すぐ交代になるだろうけど。彼らじゃ全く歯が立たないだろうし。
少年がやめろと声を張り上げても、山本武は止まらない。突っ込んでいくのもいいけど、あの人相手にそれは難しいんじゃないかな。ギリギリついていけてる状態だろうね、山本武は。
その証拠にほら、飛び出した火薬を避ける余裕すらない。彼も本気は出していないだろうし、あの程度じゃ遊んですらくれないよ。
獄寺隼人もダイナマイトを取り出すも、斬り捨てられて蹴りが側頭部に命中した。
「うﾞおﾞぉい。話にならねーぞぉ、こいつら。死んどけ」
「じゃあ、僕と“遊んで”よ」
「っ！？」
振るわれた剣をマチェットで受け止める。驚いた表情の彼は跳躍して後ろに下がった。追いかけてマチェットを薙ぐと、金属同士が火花を立てて耳に嫌な音が残る。
「貴様、何者だぁ！？」
「君が遊んでくれたら答えてあげる」
「ハッ！んな時間はねぇんでなぁ゛！」
飛んできた火薬を躱してさらに追撃。面倒臭いと言わんばかりの表情が面白くてニヤけた。こうやって楽しく遊べるのなんて久しぶりな気がするよ。だって、ヒバリさんと遊ぶときは周りに気をつけないと怒られちゃうし。
でも、今回はこの人のせいにしちゃえばいいもんね。建物が崩壊しても、地面が抉れても、爆発で煤だらけになっても。全部この人が悪いんだよ。
マチェットを振るう手とは逆側にナイフを持つ。刺突を繰り出せば、剣の面で受け止められた。力を込めれば受け流されて、反対側からマチェットを払えば上体を逸らされる。向こうが振るう剣を同じように上体を逸らして躱したけど、服だけが切られてしまった。
やっぱりリーチの差が出るね。
少し距離を取って様子を窺えば、その人は僕の胸元を凝視していた。不思議に思って自分の体を見下ろす。縦に切られた服から覗くオブセッションマーク。それを見られているような気がして、切られた服を寄せて握った。
この人がこれのことを知っているはずないのに。どういうこと？
「そのマーク、見覚えがあるぞぉ」
「っ！……どうして」
「教えるわきゃねーだろぉ！」
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作者名：怜
| 作成日時：2022年9月25日 23時
