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引かれた引き金。倒れ込む六道骸。医療チームは不要だと、生存者はいなくなると言っておきながら、自死？普通に考えてもおかしい。だというのに沢田綱吉たちは何も違和感を覚えないらしい。
黒い霧からバタフライナイフを取り出して握っておく。何があっても対応できるように。ヒバリさんを背に庇いながら、周囲を見渡す。
「生きたまま捕獲はできなかったが、仕方ねーな」
「ついに……骸を倒したのね……うう」
「アネキ！」
「よかった！ビアンキの意識が戻った！」
目を向けるも僕は動かない。タイミングが良すぎると考えてしまうのは僕が悪いのか。警戒のしすぎなんだろうか。
肩を貸してくれないかとビアンキさんが言って、獄寺隼人が近寄る。
「獄寺君！！いっちゃだめだ！」
「え？」
「どうかしたの？ツナも肩を貸して……」
沢田綱吉の様子もおかしいな。何がどうなってるんだ？僕にしては珍しく、乱暴に頭を掻いて行く末を見守る。手を貸そうとした獄寺隼人に振るわれる三叉の武器。それが頬を掠めた。
「まあ！私ったら……！！」
「何やってんだビアンキ。しっかりしろ、刺したのは弟だぞ」
「私、なんてことを……したのかしら」
今度はリボーンに武器を刺す。リボーンは躱していたから問題ないけど。なぜビアンキさんが？ビアンキさんってリボーンのこと大好きだったよね？間違えても刺そうとはしないはず。
「まさか……マインドコントロール……！？」
「ちげーな。何かに憑かれてるみてーだ」
「それって呪いスか？」
そんなわけないでしょ。そうしたらマフィアなんて全員呪い殺されてるよ。何かタネがあるはず。考えている間に沢田綱吉が六道骸と呟いた。クフフと特徴的な笑い声を上げるビアンキさん。
顔を上げれば、その目には“六”と浮かび上がっていた。
「また会えましたね」
「で、でた──！！」
「祟りだ──！！」
「そんなバカなことあるわけねーぞ」
六道骸の遺体は消えてない。けど、現に六道骸はビアンキさんに乗り移ってる。この世界って人に乗り移れるの？不思議なことも大概にしてよ。さすがの僕も混乱しちゃうって。
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作者名：怜
| 作成日時：2022年9月25日 23時
