六道骸来る！ ページ17
歩き出したみんなの後ろをついていく。黒曜ヘルシーランド、その建物の前に入っていく間も、どうにも落ち着かない気持ちを持て余した。中を探索していくと、階段は壊されている。
「骸はたぶん上の階だな。どこかに一つだけ生きてる階段があるはずだぞ」
「え？どーいうこと」
「こちらの移動ルートを絞った方が守りやすいだろ？逆にいえば、自分の退路を絶ったんだ。勝つ気マンマンってことだな」
自信あるねぇ。負ける気は一切ないみたいだ。そういうやつを倒すのってなかなか楽しいよね。
「ん？ケータイが落ちてる……」
「あ、それヒバリさんの。僕が回収するよ」
「ヒバリさん……ケータイの着うた、うちの校歌なんだよね！」
「なぁ！？ダッセ──！！」
まあ、気持ちは分からなくもないけど。それだけ並中が好きってことだよ。携帯を受け取ってポッケに入れる。
それからしばらく建物内を歩き回ってようやく階段を見つけた。と言っても非常用のハシゴだね。さっさと行きたいところだけど、人がいる。
後ろを振り向けば、ニット帽を被っている人。この人、写真に写ってたね。主犯の三人組だ。ダイナマイトが投げられて、煙が噴き出る。煙幕か。
「10代目。ここはオレにまかせて先に行ってください」
「獄寺君！！」
ビアンキさんが慌てたように獄寺隼人の状態について話す。シャマルのおかげで命を取り留めたってことと、それの副作用。激痛を伴う発作が起きること。それでもやる気かと問えば、獄寺隼人は微塵も揺るがなかった。
「いってください。10代目は骸を！」
「そりゃそーだけど……」
「終わったらまたみんなで遊びにいきましょう」
「……そ……そーだよね。いけるよね」
死亡フラグに聞こえるんだけど。まあ、僕がそんなことさせなければいいだけか。全滅するまで役目はないけどねぇ。煙幕に紛れて走っていく沢田綱吉に続く。
呆気なく行かせてくれたものだと思ったけど、そういう指示なのかな？
それからまた上へと続く道を探す。見つけた階段は瓦礫があったけど、通れないほどでもない。廃墟と化した映画館。そのシアタールームを開けば、舞台上に人が座っていた。
「また会えてうれしいですよ」
「ああ！！君は！！」
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作者名：怜
| 作成日時：2022年9月25日 23時
