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「うぅ……やっぱり中で待っておこうかな……」
「まだ寒いの」
「寒さには弱いので……」
仕方ないんです、と目を逸らす。別の世界にいたときはこんなことなかったんだけどね。
戻ったら温かいコーヒーを飲むことを想像しながら、校舎口に。靴を履いて外へ出れば、ぴゅうと冷たい風が吹いた。ヒバリさんがさりげなく風避けになってくれて、ありがとうございますとお礼を言う。
それから奥を見れば、山ほどもあるんじゃないかと思うくらい大きなカメが鼻ちょうちんを膨らませていた。モーター音を立てながらこっちに向かってくるラジコンのようなものと、沢田綱吉が走ってくる。
ラジコンを手に取ろうとヒバリさんがしゃがむと、沢田綱吉が転けて滑り込んできた。
「うわっ!いでで〜〜〜〜っ!」
「何これ?あと、そのデカいカメ」
「ヒバリさん!!と、Aさん!?いや、あの!」
まごまごと言いづらそうに沢田綱吉が顔を青くする。なんで、とでも言いたそうな沢田綱吉にヒバリさんは雪合戦でもしようかとと言った。
「といっても群れる標的に一方的にぶつけるんだけど」
(なんでこの人捕まんないの──!!?)
「どうして捕まらないんです?」
(言った──!!?)
「僕だからね」
「確かに」
(納得した──!!?)
僕たちの会話に、沢田綱吉は顔を青くしたり驚いたりとコロコロ表情を変える。よく変わる表情だなぁと眺めていれば、ヒバリさんは手の中でラジコンからボールになった何かを手にして沢田綱吉を見た。
「ここで会ったのも何かの縁だ。今日は君を標的にしようかな」
「え!そ……そんなっ!ってか、レオン投げてくんの〜!?」
顔を庇うように沢田綱吉は腕を上げる。ヒバリさんは投げようとして、僕を見ると、その動作をやめた。
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怜(プロフ) - 茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのかさん» リボーンいいですよね……読んでくださってありがとうございます! (2022年10月14日 0時) (レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのか - リボーンしゅき (2022年10月8日 0時) (レス) id: 304b99e4d1 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - リィさん» ありがとうございます!信者くんがまたトリップしたら面白いだろうなと思って書き始めたものですが、そう言っていただけると励みになります。これからもよろしくお願いします! (2022年10月1日 3時) (レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - DBDもリボーンも知らないのに見始めました。ツイステのDBD見てて面白いなぁって思ってみ続けてます。更新頑張ってください! (2022年9月30日 17時) (レス) id: 1730b53d16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜 | 作成日時:2022年9月25日 1時