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退屈しのぎにもならないゲームに飽き飽きとしたヒバリは、同じ病院に沢田綱吉がいることを聞くと、こちらに移すよう言う。それからしばらくAの頭を撫でながら到着を待っていると、無遠慮に病室のドアが開いた。
「やあ」
「ヒバリさん!!うそ──!!?え!?なんで病院に!!!」
「静かにしてくれる。Aが寝てるんだ」
「……んぅ」
ハッとして口を押さえるツナ。ヒバリが座っているベッドで寝ているAを見ると目を見開いた。うっすらと目を開いたAはヒバリを見て不思議そうな顔をしている。身を屈めたヒバリがAの耳元で何かを囁くと、また安心したように目を閉じた。
「え、あの、」
「カゼをこじらせてね。退屈しのぎにゲームをしてたんだが、みんな弱くて……」
一切Aに触れることもなく、ヒバリは淡々と話す。困惑しているツナを気にかける様子すら見せず、ゲームのルールを説明した。
「僕が寝ている間に物音をたてたら咬み殺す」
「一方的──っ!!?ってか病院じゃありえない状況だ──!!!」
「静かにって言ったよね」
ぐずるように寝返りを打ったAを一瞥して、ヒバリは声色を低くする。ツナは最早それどころではなく、早口に退院すると言い切った。それを却下したのは後ろから現れた並盛中央病院の院長だ。
「だめだよ。医師の許可がなくちゃ」
「!!?」
「やあ、院長」
「え゙!いんちょー!!?」
「こうして安心して病院を運営できるのもヒバリ君のおかげ。生贄でもなんでもなんなりとお申しつけください。A君にも口添えをお願いいたします」
眉を顰めたヒバリは普段のAを思い浮かべ、そんなことをしてもAは興味がないと一蹴するだろうと気を取り直すと、欠伸をしてベッドに体を滑り込ませた。窓の方を向いてしまったAを後ろから抱き締めるような形で横になると、目を閉じる。
「ちなみに僕は葉が落ちる音でも目を覚ますから」
「なっ!」
「では失礼します」
「えっ!うそっ!!ゲームスタート!?」
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怜(プロフ) - 茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのかさん» リボーンいいですよね……読んでくださってありがとうございます! (2022年10月14日 0時) (レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのか - リボーンしゅき (2022年10月8日 0時) (レス) id: 304b99e4d1 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - リィさん» ありがとうございます!信者くんがまたトリップしたら面白いだろうなと思って書き始めたものですが、そう言っていただけると励みになります。これからもよろしくお願いします! (2022年10月1日 3時) (レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - DBDもリボーンも知らないのに見始めました。ツイステのDBD見てて面白いなぁって思ってみ続けてます。更新頑張ってください! (2022年9月30日 17時) (レス) id: 1730b53d16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜 | 作成日時:2022年9月25日 1時