信者来る！ ページ1
全て終わった。何一つ残らなかった。あれだけ楽しんでいた学生生活も、淡い淡い甘やかな感情も。僕には全ていらないものだと破棄された。分かっていたはずなのに。その時がくることを、覚悟していたはずなのに。これほどまでに呆気ないものだとは理解していなかった。
僕の感情だけが取り残されて、みんなの記憶から僕が消えて。それでも僕はエンティティさまを嫌いになれなくて。いっそのこと、殺してくれれば。
そう思った瞬間、僕はモノトーンの家具で統一されたシンプルな部屋にいた。何も理解できないまま、近くにあるソファーに座る。柔らかく僕を受け止めたソファーの前にはテーブルがあり、その上には封筒が早く読めと言わんばかりに鎮座していた。
力が入らない腕を伸ばして封筒を掴み取る。ビリビリと丁寧とは程遠い手付きで破いて、中身を取り出した。1枚の手紙は馴染みのない言語だけど、なぜだか読める。
『
A。
私の、かわいい子。
おまえはここで生きるの。
また、やり直すの。
私の、いとしい子。
』
ぐにゃりと文字が歪む。まるで生きているかのように動き出して、また別の文章へと生まれ変わる。
『
4月 並盛中学校入学式。
遅れないように。
準備を済ませるのよ。
私とキラーは、いつもそばにいる。
呼びなさい。使いなさい。
』
ふ、と息を吐く。象形文字のようなそれは次々と形を変えて、文章を作る。差出人が誰かなんてとっくに分かっていた。
「エンティティさまの御心のままに」
そう答えれば、文章が瞬く間に変化する。生活していく上で必要なことがつらつらとしたためられていく。ここで1人で暮らしていく上での現実的な問題は全て片付けていると締め括って、文章は変化をやめた。けれど、最後までエンティティさまの目的は語られない。僕はとても、本当にとても困ってしまっていた。それさえ分かれば、また元の世界に……。
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怜(プロフ) - 茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのかさん» リボーンいいですよね……読んでくださってありがとうございます！ (2022年10月14日 0時) (
レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第2王子(ヲタク)←王子がそれでいいのか - リボーンしゅき (2022年10月8日 0時) (レス) id: 304b99e4d1 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - リィさん» ありがとうございます！信者くんがまたトリップしたら面白いだろうなと思って書き始めたものですが、そう言っていただけると励みになります。これからもよろしくお願いします！ (2022年10月1日 3時) (レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - DBDもリボーンも知らないのに見始めました。ツイステのDBD見てて面白いなぁって思ってみ続けてます。更新頑張ってください！ (2022年9月30日 17時) (レス) id: 1730b53d16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2022年9月25日 1時
