魔力よりタバコをくれ十六本目【ツイステ】 (ページ8)

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舌打ちをしたレオナ・キングスカラーが俺を睨む。正確には俺が吸ってるタバコを、だけど。まあ、獣人にはこのにおいはきついだろうな。でも、害がないってことだけは分かってるんだから、そこは譲歩して欲しいものだ。

「連れて行かれた3人、一体なにをされているんでしょうね」

「……………………」

ジャミルの問いにレオナ・キングスカラーは沈黙を貫いた。かと思えば、静かに口を開く。

「…………あのカイワレ大根、喋りすぎだ」

「え？カイワレ……ああ、イデア先輩のことですか。言われてみれば、学園にいるときより口数が多い気がします」

「そういうことじゃない。『S.T.Y.X.』は秘匿された組織だろ。NDAにサインしたくらいで人は話さないとは限らない」

「そういうこった。俺たち相手にイデアは情報を漏らしすぎている」

顎に手を当てたジャミルは小さく頷いた。連れ去る前のカローンとか言う奴らも、暴れすぎてる。あんなの自分達を見てくださいって言ってるようなものだ。
ああやって派手に活動している奴らを、どうして今まで知らないやつが多かったんだ？どういう対策を練っているのか？疑問は尽きないな。

「“嘆きの島に連れ去られて、帰ってきた魔法士はいない”…………ふむ」

「被検体B、レオナ・キングスカラーさん。被検体D、ジャミル・バイパーさん。検査を始めるよ。僕についてきて」

「…………はいはい。お手柔らかに頼むぜ」

ぷかぷかとタバコを吸っていれば、ジャミルとレオナ・キングスカラーが連れていかれる。アズールたちは戻ってこなかった。オルト・シュラウドが言っていた、バトルシミュレーター。そこで何かしら負荷がかけられて、そのまま休んでるってことが正しいだろうな。
アズールたちがNDAで質問してたことを聞いてたから、なんとなく怪我はしてないだろうと予測はつく。

全く、今日は厄日だな。文化祭関連で興味もない集まりに参加させられて、カローンに連れ去られて。残してきたジェイドとフロイドは心配してるだろうし、アズールといえば気にかけることが多いから、俺のことが負担になるだろうし。
うまくいかないものだな。